(5)愛に関する第2の摂理

――愛のサイクル発展の法則(「多く与えれば与えるほど、多く与えられる」という法則)

多く与えれば与えるほど、多く与えられる

愛に関する第1の摂理「利他性の法則」が、愛のサイクルを確立するための法則であるとするなら、第2の摂理は、愛のサイクルをさらに発展させるための法則です。「利他性」とは自分の利益を考えずに、相手のため、相手の幸福のために与え続けることでした。こうしたあり方は、現在の地球上の人々にはなかなか理解できません。利他的行為は、一方的に自分の利益を失うだけの損をする生き方と考えます。

しかし本当はそれとは全く逆で、利他的行為によって結果的に、いっそう多くのものを得ることになるのです。利他愛が純粋になればなるほど、与えるものが多くなればなるほど、それに応じてより多くのものが与えられる(返ってくる)ようになります。

利他愛について、物質次元の世界に限定して考えるなら“物を失う・損をする”ということになりますが、「霊的価値観」からすれば失うものは何もありません。それどころか人間にとって一番大切な「霊的宝(神の愛・霊的幸福・霊的成長)」が、ますます与えられるようになるのです。その意味で利他愛を実践することは、最も賢明な生き方・最も得をする生き方と言えます。「愛を与える」という行為は、霊的成長をなすためのプロセスそのものとなっているため、最高の宝がもたらされることになるのです。

「施しを受けるよりも施しを授ける方が幸せです。」

『シルバーバーチの霊訓(1)』(潮文社)p.109

人に多く与えれば与えるほど、さらに多くの神の愛と霊的エネルギーが流れ込んでくる

愛は純粋に霊的なものです。したがって本当の愛(霊的愛・摂理にそった愛・利他愛)を他人に与えると、与えた分の「神の愛」が直ちに補給されるようになっています。霊的エネルギーがその人の「霊」に流れ込んでくるようになります。そしてその流れ込んだ霊的エネルギーが「魂の窓」を押し広げ、次にはさらに多くの神のエネルギーを取り入れることができるようになります。こうして結果的に、与えた分より多くの愛とエネルギーが与えられることになるのです。「利他愛の行為」によって決して損をすることがないのは、このためです。

また、与えた愛を相手が受け止め、愛を返してくるようになるなら、神から与えられる愛にプラスして相手からの愛も返ってくることになります。つまりトータルすると、相手に与えた以上の愛とエネルギーが、自分自身に返ってくることになるのです。

多く与えれば与えるほど、多く与えられる-

「自己を滅却することによって実は自分が救われていることを知ることでしょう。なぜならその人たちは人間はかくあるべきという摂理に則った行為をしているからです。それは取り引きだの報酬だのといった類のものではなく、多くを与える者ほど多くを授かるという因果律の働きの結果に他なりません。」

『シルバーバーチの霊訓(2)』(潮文社)p.24~25

「いつもこう申し上げているのです――施しをする人は必ずそれ以上の施しをしてもらっており、差引勘定すればいつも戴いたものの方が多くなっていると。施す者が施しを受けるというのが摂理なのです。なぜなら、施しをしようとすることは魂の窓を開き、精神を広げ、心を大きくすることであり、その広くなったチャンネルを通して愛と導きと保護の力が流れ込むことになるからです。」

『シルバーバーチの霊訓(2)』(潮文社)p.124

「犠牲的生活によって魂が“損”をすることはありません。また利己的生活によっていささかも“得”をすることはありません。」

『シルバーバーチの霊訓(1)』(潮文社)p.42~43

世の中のビジネス書では、この「多く与えれば与えるほど、多く与えられる」という法則が金儲けの賢い方法として紹介されることがあります。それはいかにも意味深い人生訓・深遠な金儲け哲学のように思われます。その考えによれば、お金を儲けた人は、さも奉仕性が豊かで無欲な人間のように映りますが、実はそれは霊的真理の誤用なのです。

「多く与えれば与えるほど、多く与えられる」という法則は、どこまでも「霊的真理」であって霊的次元の事柄に適用されるものです。物質次元のことにストレートに当てはまるものではありません。与えれば与えるほど豊かになるのは、霊的次元のことであって、物質的なもの・金銭的なものではないのです。摂理に合った無償の生き方をしていれば、最低の物質的条件は保障されるようになっています。しかし、それは物質的に豊かになることを意味しているわけではありません。

何のために必要以上のモノやお金を手に入れようとするのか、その動機をチェックしてみれば、自分の浅はかさに気がつくはずです。物質的に豊かになることは、決して素晴らしいことではないのです。

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