2.神の摂理(法則)について
――スピリチュアリズムの神観の真髄
1章の「神について(スピリチュアリズムが明らかにした真実の神観)」では、スピリチュアリズムによって明らかにされた神の概念について見てきました。神には、「創造主としての神」「大霊としての神」「愛なる神・究極の愛としての神」「摂理(法則)としての神」「究極の理想としての神」という側面があります。こうした要素をすべて合わせたものが、真実の神の姿ということになります。
このスピリチュアリズムの神観の中で、最も特徴的なものが「摂理(法則)としての神」です。「摂理としての神」という神観(神の理解)は、これまでの宗教の中ではほとんど認識されてきませんでした。スピリチュアリズムでは、現在の地球人類の霊的成長を促すうえで最も重要な神認識の内容として「神の摂理性」を徹底して訴えています。
「摂理の神」はスピリチュアリズムの神観の最大の特徴であり、他のいずれの宗教にも見られない独自の神観です。スピリチュアリズムでは、神の造られた摂理の重要性を他のいかなる宗教よりも強調します。「スピリチュアリズムの宗教性とは何か」について一言で表現するならば、「神と神の摂理に対する信仰」ということになります。神の摂理こそ、スピリチュアリズムの神観の核心的な部分であり、スピリチュアリズムの神観の真髄と言うべきものなのです。
ここではその「神の摂理」について見ていきます。内容は次のようになっています。
- (1)神の摂理による宇宙支配の完璧性・永遠性・不変性
- (2)神の摂理(法則)による宇宙・物質界の創造と支配――神の摂理によって創造された物体と物質界
- (3)神の摂理(法則)による生物の創造と支配――神の摂理によって創造された生命体と生命界
- 1)物質界と生命界の線引き
- 2)現代の分子生物学が暗示する「神の生命体創造説」
- 3)「進化論」の問題――唯物論的進化論は間違い・すべての生物は神が創造したもの
- 4)スピリチュアリズムの「生命体・生命界創造論」
- (4)神の摂理(法則)による人間の創造と支配――神の摂理によって創造された人間と人間界
- 1)人間と動物との根本的な違いとは
- 2)神による人間創造のプロセス
- 3)人間の重層構造の各部分を支配するさまざまな摂理(法則)――物質界次元の法則・生命界次元の法則・霊的次元の法則
- 4)自由意志と、霊的成長に関する摂理(法則)
- (5)「摂理の神」が引き起こす地球人類の信仰革命――神の間接支配の宗教的意味
- 1)神の奇跡と直接関与を願うこれまでの信仰
- 2)摂理を通じての「神の間接支配」と、地球上の宗教革命
- (6)神の摂理の支配下における神への正しい対応・姿勢――神との間接的関係のもとでの「正しい信仰」とは
- 1)「愛の神」のもとで行われてきた従来の間違った信仰――「神は愛なり」の間違った解釈・「愛の神」信仰の落とし穴
- 2)神の摂理が支配する世界における「愛の神」とは
- 3)神の摂理の支配下における人間の立場
- 4)神の摂理に合わせるための努力こそ真の信仰――スピリチュアリズムは「神と摂理に対する絶対信仰」
- 5)神の摂理の支配下での正しい祈りとは
- (7)神の摂理と人間の自由意志――人間だけに与えられた自由意志による営み
- 1)人間と動物との根本的な違い――霊的要素と自由意志の有無
- 2)神はなぜ人間だけに自由意志を与えたのか――自由意志を付与された理由と、人間の特別な立場
- 3)自由意志を与えられた人間の義務と責任
- 4)スピリチュアリズムによる摂理と一致した実践の歩み
- ◆本章のポイント――神の摂理の要点