(2)スピリチュアリズムの目的は、神の愛が支配する霊的大家族の確立

霊界で、すでに確立している霊的同胞世界・霊的大家族

全人類が神を共通の「霊的親」として受け入れ、心から慕い尊敬し、すべての人間が等しい「神の子供」として神の愛で結ばれる世界――これが神を中心とする「霊的同胞世界」です。神を親とする「霊的大家族」です。こうした世界は、21世紀の地球上に住む私たちにとっては、まるで空想やおとぎ話のように感じられます。現実にはあり得ない単なる理想のように思われます。しかし霊界においては、実際にそうした理想的な世界が確立されているのです。

暗闇に覆われた現在の地球は、理想から懸け離れた状態にあります。私たちが住む地球は、神の愛が支配する世界からは、きわめて遠いところにあるのです。

2千年前の“イエスの使命”

今から2千年前、地上に誕生したイエスの使命は、人々に本当の「神の愛」を教え、神の愛を中心とする「霊的同胞世界」をつくることでした。神を親とする「霊的大家族」をつくるための“愛の革命”を起こすことだったのです。イエスは、地上人類に初めて真実の神の愛を教え、神が恐れや怒りの存在ではなく愛の方であることを明らかにしました。そして自らの生き方によって、それを証明しようとしました。イエスは“愛の革命”の火をともし、人々に本物の愛を示すことに成功したのです。

しかし残念なことに、イエスによって点火された愛の灯火ともしびは、その後、キリスト教の人工的な教義のもとで間違って伝えられることになりました。イエスの教えの本質は教会組織によって歪められ、“ニセの教え”が2千年の期間を経て世界中に広まってしまいました。

「真実の愛の世界」の確立が、スピリチュアリズムの究極の目的

スピリチュアリズムは、世界中に広まってしまった間違った教えを正し、もう一度、本当のイエスの愛の教えを地上に行きわたらせようとするものです。イエスの本来の使命に立って原点からやり直し、地上に神の愛が支配する世界をつくることを目的として計画されました。

スピリチュアリズムという人類史上最大のプロジェクトは、現在も霊界のイエスを中心として進められています。2千年前、イエスによって達成できなかった本物の愛の世界・霊的同胞世界を確立することが、スピリチュアリズムの目的であり使命なのです。今、霊界のすべての高級霊たちが総力を挙げて、その目的に向かって邁進しています。

「私たちは大霊を共通の父として、全人類が霊的に同胞であるその福音を説きます。」

『シルバーバーチは語る』(スピリチュアリズム普及会)p.47

「愛とは神の摂理を成就することです。お互いが霊的兄弟であり姉妹であり、全人類が霊的親族関係をもった大家族であることを認識すれば、お互いに愛し合わなければならないということになります。」

『シルバーバーチの霊訓(8)』(潮文社)p.121

摂理にそって確立される「霊的同胞世界」

地球という惑星(地上世界)に、これまで霊的同胞世界をつくることができなかったのは、人間同士の間に「神の摂理」に合った愛の関係を築けなかったからです。地球全体が物質主義と利己主義に支配されていたために、神を中心とした愛の世界をつくり上げることができなかったのです。

神の愛が支配する「霊的同胞世界」は、摂理に一致した愛の関係づくりから出発しなければなりません。「霊的大家族」は、地上人類一人一人が摂理にそった愛の関係をつくり上げるところから確立されていきます。

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