『シルバーバーチの霊訓』の特色
――他の霊界通信にはない独自性・特殊性
『シルバーバーチの霊訓』は、霊界主導の地球人類救済計画であるスピリチュアリズム運動の中で“最高の霊界通信”として、また“スピリチュアリズム思想の集大成”として登場しました。こうした背景があって『シルバーバーチの霊訓』は、スピリチュアリズムに関わるすべての霊界通信の中で文句なしに最頂点に立っています。
ここでは人類史上“最高の霊界通信”である『シルバーバーチの霊訓』が、他の霊界通信とは異なる点について見ていきます。『シルバーバーチの霊訓』を最高の霊界通信たらしめている特色・要因について、具体的に見ていきます。『シルバーバーチの霊訓』の特色とは、他の霊界通信にはなくて『シルバーバーチの霊訓』だけにある独自性、あるいは『シルバーバーチの霊訓』の持つ際立った特殊性に他なりません。
『シルバーバーチの霊訓』には他の霊界通信とは異なる、あるいは他の霊界通信にはない、さまざまな特色があります。その中で第1の特色は――“通信霊”が他の霊界通信の通信霊とは次元が違っているということです。『シルバーバーチの霊訓』の通信霊は言うまでもなく“シルバーバーチ霊”ですが、このシルバーバーチ霊が背負っている歴史的使命と責任が、他の通信霊とは大きく異なっているのです。第2の特色は――『シルバーバーチの霊訓』によって示された霊的知識・霊的情報の内容が、他の霊界通信のものとは格段に違っているということです。通信内容の質・量の点において、他をはるかに凌駕しているのです。第3の特色は――『シルバーバーチの霊訓』全体が、地球人類の「霊的成長」を中心軸として貫かれているということです。地球人類の救済というスピリチュアリズムの究極目的が、通信の中で徹底されているのです。第4の特色は――霊界通信の通信メカニズムが、他の霊界通信とは根本的に異なっているということです。第5の特色は――通信内容の“純度”がきわめて高いということです。第6の特色は――霊界通信が行われた期間が、他の霊界通信とは比較にならないほど長いということです。こうした点において『シルバーバーチの霊訓』は、他の霊界通信とは異なるきわめて特殊な通信となっています。
以下では、それぞれの点から『シルバーバーチの霊訓』の特色を説明していきます。
『シルバーバーチの霊訓』の特色〈1〉
――“通信霊”が最上級の高級霊
『シルバーバーチの霊訓』が他の霊界通信とは違っている本質的な理由は、“通信霊”が格別に進化した高級霊であるという点にあります。霊界通信の「質」を決定する大きな要因は、通信霊の「霊格」です。高級霊であればあるほど、より次元の高い霊的知識・霊的情報・霊的思想がもたらされます。進化の遅れている霊が、高次元の霊的知識・霊的思想を送ってくることはありません。世間一般の霊界通信の“通信霊”は、幽界(霊界の最下層・地上に近い霊界)に住んでいる未熟霊たちです。
“通信霊”がどの程度の霊なのかという点で、「霊界通信」のレベルと価値が決定します。“通信霊”の霊格の違いによって、「霊界通信」の内容にピンからキリまでの差が生じることになります。『シルバーバーチの霊訓』の通信霊である“シルバーバーチ霊”は、数多く存在する通信霊の中で特別に高い地位にあります。そのため『シルバーバーチの霊訓』では、他の霊界通信で奥義とされてきた高次元の霊的知識・霊的情報が明らかにされているのです。シルバーバーチ霊という“最上級の高級霊”による通信であればこそ、「最高次元の霊界通信」が可能となったのです。スピリチュアリズムの霊界通信は多くの場合“高級霊”が通信霊となっていますが、その中でシルバーバーチ霊は、最頂点に位置する“超高級霊”と言えます。
『シルバーバーチの霊訓』にはこうした特殊な事情があるため、それまで奥義として地上人には知らされることのなかった霊界の様子やイエスの実情、また新たな霊的知識が開示されることになりました。「最高次元の霊界通信」の登場によって、地球人類により深遠な霊的叡智・霊的知識が次々ともたらされることになったのです。
スピリチュアリズムの霊界通信によって地上人に伝えられる霊的知識は、イエスを中心とする高級霊界で厳格に審議されます。現時点の地球人にとって相応しいと判断された知識、開示する時期がきたと判断された内容だけが伝えられることになります。『シルバーバーチの霊訓』は、そうした霊界での審議を経て決められた霊的知識・霊的情報が、“シルバーバーチ霊”によって地上に降ろされたものだったのです。
『シルバーバーチの霊訓』は、シルバーバーチという一人の高級霊の見解を示したものではありません。シルバーバーチは高級霊界の代弁者として、イエスをはじめとする何百億という高級霊の総意を伝えてきたのです。シルバーバーチは、イエスから高級霊団の代表者としての権威・立場を与えられていたため、他の通信霊では明らかにすることが許されなかった内容まで語ることができたのです。
*世間の「霊界通信(チャネリング)」の中には、“神”から直接通信が送られてきた、“宇宙人”からメッセージが送られてきた、とされるものがあります。
結論を言えば、こうした通信はすべて“低級霊”が霊的に無知な地上人をからかったり騙したりするために行ったものです。そうでなければ霊媒(チャネラー)が“ニセの霊界通信”を演じたか、自分(霊媒自身)の「潜在意識内の知識」を述べたものにすぎません。本人は大げさに、奇跡的な出来事が発生したかのように宣伝しますが、語られた通信内容はあまりにも貧弱で、世間に広く知られている知識を並べ立てたもの、二番煎じの羅列といったものになっています。スピリチュアリズムの高級霊界通信と比べると、内容の差は歴然としています。
こうしたニセの霊界通信(チャネリング)を本物だと思い込み、まんまと騙されるのは、それを受ける人間に霊的知識が乏しいからです。「霊的無知」のために本物を見抜く力がないのです。
『シルバーバーチの霊訓』の特色〈2〉
――通信内容の卓越性
霊界通信の価値判断は、通信の内容自体によってなされなければなりません。どんなに“通信霊”が立派であるといっても、また歴史的な有名人であるといっても、肝心な通信内容が貧弱であったり低俗であるならば、とうてい価値があるとは認められません。通信霊の身元が疑われてしまいます。反対に“通信霊”が誰か分からなくても通信の内容が優れているならば、通信霊は“高級霊に違いない”と判断されることになります。このように霊界通信の真価は、その通信内容によって決定されます。
これは『シルバーバーチの霊訓』にも、そのまま当てはまります。通信霊が“シルバーバーチ”という稀にみる高級霊であったとしても、通信内容がありふれていてスケールも深さも乏しいものならば、通信霊(シルバーバーチ)は本当に高級霊なのだろうか、『シルバーバーチの霊訓』は本当に高級霊界通信と言えるのだろうか、と疑われることになってしまいます。
『シルバーバーチの霊訓』がスピリチュアリズムの最高峰であるとするなら当然、それは通信内容によって証明されなければなりません。示された霊的知識・霊的情報が、スケール・深さ・真実性など、どの点から見ても他の霊界通信よりも卓越していなければなりません。実際に『シルバーバーチの霊訓』を他の霊界通信や宗教思想と比較してみれば、その卓越性は誰の目にも明らかです。通信内容はあらゆるテーマに及び、そこで説かれている霊的知識のスケール・深さ・正確さは、いずれも画期的なものばかりです。
もっとも地上人が「霊的真理・霊的知識」を受け入れるためには、一定の霊性レベルに至っていることが不可欠となります。このため同じ知識を示されても、どうしてもその価値が分からない人もいます。また特定の宗教を熱心に信仰している人の場合には、自分が信仰している宗教が一番であってほしいとの強い思い込みがあるため、客観的な判断を下すことができません。
しかしスピリチュアリズムを“正しい”と直感できる人ならば、『シルバーバーチの霊訓』の卓越性・素晴らしさを理解することができます。そして他の霊界通信と内容を比較することによって、『シルバーバーチの霊訓』が最高レベルの通信であることをさらに確信するようになります。『シルバーバーチの霊訓』は、霊的知識の質・量の点で、またスケール・深さの点で他の霊界通信(チャネリング)を圧倒しており、これに優るものはありません。『シルバーバーチの霊訓』は、まさに“スピリチュアリズム思想の集大成”と言うべきものなのです。
『シルバーバーチの霊訓』が特別に優れた霊界通信であることは、その通信内容の卓越性・素晴らしさが証明しています。地球人類は『シルバーバーチの霊訓』によって、それまで謎のベールに包まれてきた多くの霊的知識・霊的情報を知ることが可能になりました。その事実は、『シルバーバーチの霊訓』が霊界通信として最高次元のものであることを意味しているだけでなく、地球上のすべての宗教思想の中で傑出したものであるということも示しているのです。
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『シルバーバーチの霊訓』の特色〈3〉
――地球人類全体の「霊的成長」と「魂の救い」を中心軸としている
スピリチュアリズムは、霊界主導の地球人類救済プロジェクトです。地球人類の救いは、霊界からもたらされた「霊的真理」を実践することによってなされます。真理を知って「霊的無知」から解放された地上人が、真理を指針として霊中心主義的・利他主義的生き方を送り、「霊的成長」をすることで「魂の救い」が達成されるようになります。
これまで地球人類は、“死”や“霊界”についての正しい霊的知識を知らなかったために、せっかく霊的成長を目的として地上世界に誕生してきたにもかかわらず、地上人生をムダに過ごすことになってしまいました。霊界の人々が「霊的真理・霊的知識」を地上に降ろしたのは、地球人類に「霊的成長」の道を歩ませることによって「魂の救い」をもたらすためだったのです。私たち地上の人間は、霊的真理を実践することで霊的成長が促され、魂の救いを得られるようになります。地上において真理にそった“霊的人生”を送って初めて、霊界に行ってから神が準備した霊的喜び・真の幸福を手にすることができるようになるのです。これがイエスを中心とする高級霊たちが、スピリチュアリズムを通じて地球人類に与えようとした救いの内容だったのです。
地上人の救いは、一人一人が「霊的成長」をすることで達成されます。そしてそうした人間が増えることによって、地球人類全体の救済が徐々に実現されていきます。「霊的成長」と「魂の救い」は、一体関係にあります。繰り返しますが“スピリチュアリズム”による救いとは、地球人類の一人一人が「霊的成長」の道を歩むことによって実現するのです。「霊的真理」は、そのための指針として霊界から示されたものです。スピリチュアリズムの霊界通信はすべて、地球人類の「霊的成長」を目的として演出されたものだったのです。
『シルバーバーチの霊訓』は、スピリチュアリズムを主導するイエスと高級霊の決意・願望・愛の思いを代弁したものであり、地球人類の「霊的成長」と「魂の救い」を最終目的としています。“すべての地球人類に霊的成長の道を歩ませたい”と願うイエスと高級霊の思いが、『シルバーバーチの霊訓』の中心を貫いています。『シルバーバーチの霊訓』ほど地球人類の「霊的成長」を重要視し、その目的に徹して教えを説いている霊界通信は他にはありません。「霊的成長」を強調するという点こそが、『シルバーバーチの霊訓』の特色なのです。
『シルバーバーチの霊訓』は、ただ単にこれまで知られていなかった霊的知識を地上にもたらそうとするものではなく、地球人類の「霊的成長」を最終目的としています。シルバーバーチは――「地球人類が救われるために必要な知識はすべて、すでに与えられています」と述べていますが、その知識とは『シルバーバーチの霊訓』の内容全般を指していることは言うまでもありません。
スピリチュアリズムを主導するイエスと高級霊の強い思いが、『シルバーバーチの霊訓』全体を貫いています。どの部分にも、地上人の「霊的成長」と「魂の救い」を願うイエスと高級霊の心情・愛情が示されています。『シルバーバーチの霊訓』の“中心軸”とは、イエスの地球人類に対する深い愛の思いなのです。
私たち地上人の「霊的成長」は、生活全体を霊的真理にそわせ、霊中心の歩みをすることによってなされます。真理を指針として霊的人生を送ることで達成されます。スピリチュアリズムの霊的真理・霊的知識は、それを実践して霊的成長をなすことを目的としています。単なる思想としての知識、実践のともなわない思想どまりの知識を提供することが霊界通信の使命ではありません。霊的知識はどこまでも、日常生活の中で実践し、霊的成長を促すために与えられたものなのです。
『シルバーバーチの霊訓』は、霊的成長のための実践の手引き書です。多くの霊界通信の中で『シルバーバーチの霊訓』ほど、実践的な知識を提供しているものは他にはありません。それは霊的人生を歩むうえでの“最高の実践の指針”であり、自力救済のための“実践の指南書”なのです。
通信内容のすべてが「霊的成長」という一点に向けられているところに、『シルバーバーチの霊訓』の特色があります。地球人類の「魂の救い」を常に念頭において説かれているところに、『シルバーバーチの霊訓』の特色があります。地上人に「霊的成長」を達成させるために霊的真理の実践・実用を強調する点に、他の霊界通信にはない『シルバーバーチの霊訓』の独自性があるのです。『シルバーバーチの霊訓』はまさに、地球人類の「霊的成長」と自助努力による「霊的救い」を目的とした霊界通信なのです。
『シルバーバーチの霊訓』の特色〈4〉
――他には見られない特殊な通信方法
『シルバーバーチの霊訓』が他の霊界通信と異なる点としては、これまで述べてきたような“通信霊の霊格”や“通信内容の卓越性”や“通信の中心軸”以外にも、“独自の霊界通信の方法”が挙げられます。『シルバーバーチの霊訓』が霊界の高級霊から地上世界にもたらされたプロセスは、他の一般的な霊界通信とは大きく違っています。
一般的な霊界通信(チャネリング)では、「通信霊→地上の霊媒→地上人」という3段階のプロセスを経てメッセージが地上に伝えられることになります。ところが霊的進化のレベルが高い“シルバーバーチ霊”は、すでに地上圏霊界を抜け出ているため、地上世界と直接的には接触できない状況にありました。霊格があまりにも高すぎて、直接地上に通信を送ることができませんでした。地上人と接触するには、高級霊よりも地上臭を多く身に着けている“幽界の霊”の方が共通の要素を持っている分だけ、都合がいいのです。世の中の大半の心霊現象が、地上世界に近い幽界の住人(未熟霊・他界直後の新米霊・死を悟れない地縛霊)によって引き起こされているのは、こうした理由によります。
シルバーバーチ霊のような霊的に進化した高級霊が、地上世界に直接働きかけるのは容易なことではありません。シルバーバーチほどの“超高級霊”が通信霊となって地上の霊媒にメッセージを伝えるのは、きわめて難しいことなのです。そこで霊界サイドに霊媒の役目を果たす“霊”を置いて、まずこの“霊”にメッセージを送り、この“霊”を通じて地上の霊媒に通信を送るという複雑な方法を取ることになりました。霊界サイドに用意された霊媒役の霊が、“レッドインディアンの霊”だったのです。「シルバーバーチ霊(通信霊)→レッドインディアン霊(霊界の霊媒)→バーバネル(地上の霊媒)→交霊会のメンバー(地上人)」という4段階のプロセスを経て、高級霊界からのメッセージが地上世界に届けられることになりました。数ある霊界通信の中で、こうした複雑な方法で地上に通信を送ってきたものは他にはありません。
言うまでもないことですが、「通信霊→地上の霊媒→地上人」という一般的な霊界通信のプロセスにおいても、地上人には想像もつかないような困難が付きまといます。交霊会に出席して通信霊からのメッセージを聞くと、霊界通信は簡単にできるかのように思ってしまいますが、その背後ではきわめて複雑な操作が行われているのです。地上世界の電話通信とは異なり、次元の違う世界の間の通信には、私たち地上人には思いも及ばない困難がともないます。この困難を克服した者(霊)だけが、地上に通信を送ることができるのです。
こうした一般的な霊界通信とは異なり、シルバーバーチの霊界通信のプロセスは遥かに複雑であるため、想像を絶する困難な状況が発生するようになります。シルバーバーチの霊界通信では、地上に通信を送るについてのさまざまな困難を克服するために、膨大なエネルギーと時間を費やして周到な準備がなされました。
霊界サイドではまず、霊界の霊媒役として“レッドインディアン霊”を選び出し、徹底して地上の言語(英語)を習得させました。また地上の霊媒となる霊(*地上に再生して“バーバネル”と名乗ることになる霊)も選び出し、“専属霊媒”として育てることを決定しました。そしてその霊が地上に再生(誕生)する時を注意深く見守り、誕生後はずっと背後から働きかけ導いていきました。霊媒(バーバネル)のクセや思考の特徴を徹底してマスターし、霊界の霊媒と地上の霊媒が一体化するまでに導いていったのです。さらにバーバネルの睡眠中には、繰り返しリハーサルも行いました。同時に霊界では、霊界通信を遂行するための霊団を形成し、揺るぎない協力体制を着々とつくり上げていきました。こうして霊界サイドにおいてありとあらゆる準備がなされ、時期が至って地上世界に向けて通信が開始されることになりました。それが1920年代だったのです。
これほどまでに綿密な準備を重ねながらもシルバーバーチ霊は、最初の頃はまだぎこちない片言の英語を語ること(*霊界と地上の霊媒を使ってメッセージを伝えること)しかできませんでしたが、時が進むにつれてその英語はどんどん上達していき、やがてネイティブが驚嘆するほどの達人レベルにまで至ることになりました。
その一方で、霊界から送られてくる「霊的真理・霊的知識」を受け、地球上に広めるための地上サイドの準備も並行して進められました。歴史的使命を担った“交霊会”の役目を果たすのに適したメンバーを選別し、霊界から彼らを交霊会に導いていきました。交霊会を取り巻く地上的環境も時間とともに整備され、1930年に入る頃には、人類史上最高の霊界通信を地上にもたらすのに相応しい万全の体制が整うことになりました。
『シルバーバーチの霊訓』の特色〈5〉
――通信内容の“純度の高さ”
霊界通信は地上人の側から見ると、霊界の“通信霊”のメッセージがそのまま語られたり書かれたりしているように思われます。語られた言葉・書かれた言葉は“通信霊”のメッセージと全く同じものであると考えてしまいます。しかし霊界通信(チャネリング)では、霊界の“通信霊”の思想やアイディアが、そのまま正確に地上に伝わることはめったにありません。この点で、大半の地上人の霊界通信に対する認識は間違っています。霊界通信を誤解しています。
霊界通信では、時に“低級霊”が身元を偽って通信を送ってくることがあります。地上人をからかったり騙したりするために、意図的に高級霊を装って通信を送るのです。霊的知識の乏しい地上人は、そのニセの霊界通信を本物と信じ込み、霊界からのありがたいメッセージ・啓示・お告げとして受け入れてしまいます。
霊界通信の多くが、地上の霊媒の“潜在意識”を使用して行われます。霊界から地上にメッセージを送る場合、“通信霊”は自分の思想やアイディアを地上の言語に置き換えなければなりません。『シルバーバーチの霊訓』の通信方法は「入神談話」と言い、ステイントン・モーゼスを霊媒とする『霊訓』の通信方法は「自動書記」と言います。「入神談話」と「自動書記」は霊界通信のオーソドックスな形式ですが、これらはいずれも霊媒の“潜在意識”の中にある言語を用いて行われます。このとき、通信内容に霊媒の意識・記憶・願望が混入してしまうのです。
メッセージを受け取る地上人には、通信内容にどのくらい霊媒の“潜在意識”が含まれているのか判断がつきません。そもそも大半の人々は、そうした事実があることさえ知りません。世の中で霊界通信(チャネリング)といわれているものの多くに、霊媒の潜在意識が混入しています。これは“純粋な霊界からの通信はほとんどない”ということを意味しています。
“通信霊”の通信内容をどの程度まで正しく伝えているか――言いかえれば「霊媒の潜在意識の混入をどの程度まで排除できているか」によって霊界通信の“純度”が決まります。通信内容の20パーセントだけが本物で残りは霊媒の潜在意識によるもの、40パーセントが本物で残りは霊媒の潜在意識によるもの、というようになります。いかに素晴らしい霊界通信といっても、その内容の100パーセントが本物というものはめったにありません。なかには100パーセント“ニセモノ”、すべて霊媒の“作り話”といったものもあります。もし完全に純粋な霊界通信があるとするなら、それは奇跡的な出来事と言えます。
スピリチュアリズムでは、多くの霊界通信の中から本物の霊界通信を選別してきました。『シルバーバーチの霊訓』と並んで“世界三大霊訓”と称される『霊訓』と『霊の書』には、通信内容に霊媒の潜在意識の混入はほとんど見られません。それらは純粋な通信・本物の霊界通信です。『シルバーバーチの霊訓』もその内容は100パーセント通信霊のものであり、稀にみる純粋な霊界通信です。
『霊訓』や『シルバーバーチの霊訓』では、しばしば霊媒の信念と正反対の内容が霊界から送られてきました。例えばモーゼス(*『霊訓』の霊媒)はキリスト教の牧師であり、キリスト教の教えが絶対的に正しいと信じていました。ところが霊界から送られてくるメッセージは、キリスト教を厳しく糾弾するものでした。またバーバネル(*『シルバーバーチの霊訓』の霊媒)は「再生説」を
このように通信霊のメッセージが、霊媒の信念と180度異なるといった事態がしばしば発生し、霊媒は大きな混乱状態に陥ります。実はそれが“通信内容が霊媒の潜在意識によるものではない”ということを証明することになっているのです。シルバーバーチは、「通信に霊媒の潜在意識が混入することは避けられない」と一般論を述べる一方で、自分自身の通信については「今では100パーセント、自分の言いたいことを正しく伝えられるようになりました」と述べています。
「今ではこの霊媒のどこにどの単語があるということが分かっていますから、それらを何とか駆使して、私の思ったこと、と言うよりは、ここへ来るまでに用意した思想を100パーセント表現することができます。
この霊媒を通じて語り始めた初期の頃は、一つの単語を使おうとすると、それとつながった別の要らない単語まで出てきて困りました。必要な単語だけを取り出すためには脳神経全体に目を配らなければなりませんでした。現在でも霊媒の影響をまったく受けていないとは言えません。用語そのものは霊媒のものですから、その意味で少しは着色されていると言わざるを得ないでしょう。しかし、私の言わんとすることの内容が変えられることはありません。」
このシルバーバーチの言葉は、『シルバーバーチの霊訓』では“霊媒の潜在意識が完全に排除されている”ということを意味しています。「入神談話」による霊界通信は、通信霊と地上の霊媒のオーラの融合作用によって行われます。この融合が完璧であれば、通信内容も完璧になります。通信内容が純粋に通信霊のものになるのです。
シルバーバーチは、自らの通信においてオーラの融合が完璧になるまでに15年もの期間が必要だったと述べています。“通信内容の純粋さ”という点から見たときにも、『シルバーバーチの霊訓』は世の中の霊界通信(チャネリング)とは次元が異なるものであることが分かります。
*近年、スピリチュアリズムの中で、シルバーバーチと並んで高い評価を受けている霊界通信に“ホワイトイーグル”があります。多くの熱心な信奉者がいますが、霊界通信の“純度”という観点からすると、ホワイトイーグルの霊界通信には多くの問題点があります。「霊媒の潜在意識の混入」が随所に見られます。キリスト教の影響、神智学の影響が濃厚に見られ、“通信内容の純粋さ”という点で大きな疑問符が付きます。
残念なことですが、信奉者の多くがこうした霊媒の潜在意識が混入した知識を、むしろ素晴らしいもののように錯覚しています。シルバーバーチはホワイトイーグルを同志と呼んでいますから、“通信霊”としては高級霊であることは間違いないと思われますが、「霊界通信」として見たときには純粋なものとは言えません。『シルバーバーチの霊訓』と比べると、あまりにも内容の貧弱さが目に付きます。
また欧米で一世を風靡した“チャネリングブーム”の中でもさまざまな霊界通信(チャネリング)が現れましたが、これらの多くにも「霊媒の潜在意識の混入」が濃厚に見られます。“にわか作り”の霊界通信といった感が拭えません。
『シルバーバーチの霊訓』の特色〈6〉
――半世紀以上にもわたる“長い通信期間”
一般的にいって、本物の霊界通信が長期にわたって続けられることはありません。霊媒が演じるニセの霊界通信や低級霊による人騙しの通信は、霊媒が生存している限り続くことがありますが、“スピリチュアリズム”の綿密な計画のもとで行われる霊界通信にはそうしたことはありません。スピリチュアリズムにおける「霊界通信」は、すべて明確な目的をもって計画的に演出されます。そしてその目的が達成されると、霊界通信は終了することになります。
スピリチュアリズムの霊界通信は、すべて霊界サイドの意図に基づいて演出されます。英国スピリチュアリズムのバイブルと見なされてきたモーゼスの『霊訓』は、10年ほどで通信を終えています。人類の霊的救済のために演出される本物の霊界通信・真に価値ある霊界通信は、明確な使命・役割・目的のもとで演出されるのです。これは本物とニセモノを判別する際の大きな目安となります。世の中に見られる多くの霊界通信は、金儲けや人々の受けを狙った“ニセ霊能者”の
こうした霊界通信の原則に照らしてみると、『シルバーバーチの霊訓』が半世紀以上にもわたって継続して行われてきたということは、きわめて異例と言えます。それはまさに、例外中の例外と言える出来事だったのです。シルバーバーチによる霊界通信は、1920年代から始まっています。それが1930年代に入って本格的なものになり、霊媒のバーバネルが他界する1981年まで定期的に行われました。最初は週に一回、晩年は月に一回のペースでコンスタントに続けられました。スピリチュアリズムの中で、こうした長期(50年以上)にわたる霊界通信は他にはありません(*ホワイトイーグルも長期にわたっていますが、先に述べたように通信内容に「霊媒の潜在意識の混入」が見られるという点で純粋さに欠けます)。
『シルバーバーチの霊訓』の通信が半世紀以上にも及んだということは、他に類のない特殊な出来事です。しかも『シルバーバーチの霊訓』の場合、その内容が一貫して他の追随を許さないほどきわめて高次元であった、という点が重要です。他の霊界通信には見られない高次元の内容が、長期間にわたって継続して送られてきたのです。卓越した霊的知識・霊的思想が繰り返し語られ、表現を変えて説かれてきました。「質」の点で最高レベルの通信が長期にわたって送られてきました。その結果、「質・量」ともに傑出した霊界通信が生まれました。ここに他の霊界通信にはない『シルバーバーチの霊訓』の特色があります。「質・量ともに最高レベルの霊界通信」――この言葉は『シルバーバーチの霊訓』の特色を端的に言い表しています。