(3)地上圏霊界と宇宙圏霊界

1)地球圏霊界

地球出身者が住む霊界

地球出身の霊たちが住んでいる霊界を「地球圏霊界」と言います。宇宙の中には、地球以外にも生命体が存在する天体が無数にあります。そのすべての天体には、それを取り巻くようにして霊的領域(霊界)が広がっています。そうした天体の住人は、地球人と同様に物質的身体(肉体)をまとって生活しており、死後はその肉体を脱ぎ捨てて霊的世界(霊界)に入っていくことになります。そして必要に応じて、何度かの物質界(天体)への再生を繰り返します。こうした物質界を通じての霊的成長のプロセス(再生プロセス)を卒業すると、より高次な霊的世界において永遠の進化の歩みを始めるようになります。 私たちが住む地球という天体でも、これと同じようなことが行われています。物質世界である地球を取り巻くようにして広がっている実際には同一場所に重複存在している)霊界には、かつて地球に生まれ、地球上で生活したことがある霊たちが住んでいます。これが「地球圏霊界」です。

地球は無数に存在する生命体の住む惑星の中で、際立って霊的進化のレベルが劣る天体下から2番目という低さ)と言われています。したがって地球圏霊界自体も、他の天体の霊界と比べると進化のレベルが低いということになります。

地球圏霊界の2区分

――地上圏霊界と宇宙圏霊界

地球に生まれ、地球上で生活した人間は死後「地球圏霊界」に入ることになります。地球圏霊界は、大きく2つに分けられます。「地上圏霊界」と「宇宙圏霊界」です。地上圏霊界とは、地球出身の霊たちが再生を繰り返しながら成長していく段階の霊界、宇宙圏霊界とは、地上への再生プロセスを卒業した霊たちが住むことになる高級霊界のことです。

地上圏霊界と宇宙圏霊界

2)地上圏霊界とは

地球上に生まれた人間は死後、霊界(地上圏霊界)で一定の期間を過ごした後、再び地球に誕生(再生)します。そして再生を数回から十回前後繰り返す中で、もはや地球という物質世界での体験が不必要なレベルにまで進化するようになります。この期間は「類魂」の一員として、類魂の他のメンバーとともに共同成長の道をたどることになります。やがて再生の必要がないレベルに至ると、さらに高い霊界に上昇していくことになります。

スピリチュアリズムにおいて一般的に取り上げられる霊界の大半が、「地上圏霊界」です。「幽界」とは、この地上圏霊界の最下層の領域であり、地上世界との境界の世界のことです。

3)宇宙圏霊界とは

地上圏霊界に対して、再生が不要となった高級霊が住む霊界を「宇宙圏霊界」と言います。地球出身の霊の中で、この段階にまで進化した霊は現時点ではきわめて少数で、そうした霊たちは「超高級霊」と言われます。シルバーバーチは――「自分はすでに再生の必要はない」と述べていますから、この宇宙圏霊界のレベルにまで進化した超高級霊であることが分かります。そうした霊は地上的要素を完全に拭い去っており、地上世界に通信を送るためには、地上圏霊界に“中間霊媒霊界サイドの霊媒)”を置かなければなりません。シルバーバーチの霊界通信における幽界の“レッド・インディアン霊”がそれに相当します。

「宇宙圏霊界」に入った霊は、地上的体験を経ることなく霊的成長の道を歩むようになります。これは天使と同じプロセスで進化していくようになったことを意味します。天使は一度も物質世界に生まれたことがなく、物質世界を経ずに霊的成長をするようになっています。こうした天使を地球人から見れば、神によって初めから高級霊として創造されたかのように映ります。宇宙圏霊界に入った高級霊は、ある意味では天使と等しい立場に立つことになります使命・役割は、どこまでも天使とは異なりますが……

私たちが「霊(人霊)」について考えるとき、一般的には「霊体」を身にまとった身体構造の存在を思い浮かべますが、それはどこまでも「地上圏霊界」にいる霊たちについて言えることなのです。霊体という身体は、地上圏霊界という物質世界と関わりを持っている世界においてのみ必要とされるものです。地上圏霊界を超えれば、もはやこうした形体の身体は不要となります。したがって「宇宙圏霊界」では、霊たちは霊体さえも脱ぎ捨て“光源体”として存在するようになります。すなわち霊体を持たない光源体としての「個別霊」になるのです。

霊体を持たないという点についても、天使と同じです。天使は地上人の思い・イメージに合わせて、霊体や物質化した身体をまとって人間の前に現れます。それは地上人が混乱しないようにとの配慮から、わざわざ形体をつくるのです。本来、天使には人間の霊体のような身体はありません。

4)再生と類魂は、地上圏霊界を通過するための進化のシステム

地上圏霊界に住む霊たちは、地球という物質世界での体験を通じて霊的成長をすることになります。霊たちにとって、すべての目標は「霊的成長」という一点におかれていますが、「類魂」と「再生」は、その目的を達成するためのシステムなのです。「類魂」という共同進化のプロセスを経て人間は、地上圏霊界を少しずつ上昇し、やがてそこを卒業する時期を迎えます。とは言っても、地上圏霊界を通過する期間は、一人一人で異なります。個人の努力しだいで早くなったり遅くなったりします。大きな努力をすればその分だけ成長し、地上圏霊界を早く卒業することができるようになります。

世間ではしばしば「再生の回数」が問題となりますが、これも本人の努力しだいであり、一概に決められるものではありません。しかし多くの場合、数回~十数回の地上への再生を経験し、地上圏霊界を卒業するようになっています。何十回、何百回も再生するようなことはありません。シルバーバーチは3千年前に地上人生を送った霊ですが、長い再生のプロセスを経て地上圏霊界を卒業し、現在では宇宙圏霊界に入っています。

カルマと自己責任の摂理

類魂は、共同進化・共同成長のシステムで、人間の霊性進化には不可欠なものです。類魂の中では、他人の体験を自分のものとして共有するようになります。そのため何十回、何百回もの再生を経ることなく「地上圏霊界」を卒業することができるようになるのです。他人の体験を共有して共通の霊的成長をなす「類魂」は、実に素晴らしいシステムです。

とは言っても、かつて自分が地上人生でつくってしまった「カルマ(摂理違反・罪)」に関しては、類魂の他のメンバーに代って償いをしてもらうわけにはいきません。自分が犯した罪は、自分で償わなければなりません。これが「自己責任の法則」です。類魂の共同成長のプロセスの中にあっても、この自己責任の摂理は曲げられません。現実の再生では――「個人レベルのカルマの清算(罪の償い)」と「類魂全体の霊的成長」というプロセスが同時進行するようになっています。

5)私たち地球人類は、霊性進化プロセスの初心者

現在、私たちが地球上で生活しているということは、地球という物質的世界での体験が必要な霊的レベルにある、ということを意味します。それは私たちの霊性レベルが「地上圏霊界」にふさわしいものであり、霊的進化の道程みちのりの全くの初心者であることを示しています。

さらに重大なことは、現在の地球自体が、宇宙の中できわめて進化のレベルが低い天体であるということです。シルバーバーチは――「地球は、すべての惑星の中で、下から2番目に低い」と言っています。地球圏霊界に存在する地上人・霊界人は、ともに霊性進化のプロセスの初歩的段階にいるということなのです。これについては次のような譬えを通して、より実感を持って理解していただけるものと思います第3章・(2)永遠の霊性進化の道で取り上げた図を参照してください

私たちの地上人生の100年間を1センチの高さとすると、イエスが地上に誕生して以来、今日までの2000年間は20センチとなります。シルバーバーチは3000年前に地上で生活していたということですから、30センチの高さに相当します。シルバーバーチを例にとると、3000年の時をかけて「地上圏霊界」を卒業していますので、30センチが地上圏霊界に存在していた期間ということになります。人によって努力の程度やカルマの状況が違いますから、地上圏を卒業するまでの期間はさまざまとなりますが、このシルバーバーチの歩みは一つの目安になります。遅い人の場合は、地上圏を卒業するまでに5000年(50センチ)かかることもあるでしょう。あるいは1万年(100センチ)かかることもあるでしょう。

しかし「人間は永遠に霊的進化の道をたどる」ということを前提にするとき、30センチも50センチも100センチ(1メートル)も、それほど問題とはなりません。なぜならどのような人間も今後、10万年、100万年、1000万年、1億年……と永遠に生き続けることになるからです。それはこれから10メートル、100メートル、そして何千メートルという高度まで上昇していくということを意味します。いったん神によって個別の霊的存在として造られた以上、誰もがこうした目もくらむような高い世界に上っていくことになるのです。今、地球上で生活している私たち人類は、3センチ、5センチといったレベルにいます。あるいはもっと低い1センチそこそこの人もいるでしょう。

広大な宇宙には、地球人よりも早く誕生し、霊的進化の道を出発した人間が無数に存在します。そうした人間は、すでに何十メートル、何百メートルの高さに至っているかもしれません。彼らと私たち地球人を比較するなら、霊的進化のレベルがあまりにも違い過ぎるのです。こうしたことを考えてみると「地球は宇宙の中で下から2番目の惑星である」とのシルバーバーチの言葉は、当然と言えるのではないでしょうか。地球人類はまさに、霊性進化の道を歩み始めたばかりの初心者なのです。

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