(1)霊界は人間にとっての永遠の住処

――人間は霊界で永遠に生き続ける存在

死後の世界の存在を信じる人は多くいますが、彼らの大半が、どこまでも地上がメインの世界であり、霊界は死後に行くことになる付属的世界であると考えています。肉体に閉じ込められ“脳”を介した意識しか持てない地上人にとって、霊界を実感的にとらえることができないのは、ある意味で仕方がありません。

スピリチュアリズムは、これまでの地球人類の死後の世界に関する常識を根本から覆すことになりました。死後の世界である霊界こそが人間にとっての本来の住処であり、今生活している地上世界は仮の生活場所であることを明らかにしたのです。

1)霊界は永遠の住処

霊界こそ人間にとっての本来の世界

スピリチュアリズムが明らかにした真実の一つは、「霊界こそが人間にとっての本来の世界である」ということです。人間についての第1番目の定義は――「人間は霊的存在である」というものでした。それは人間にとっての本来の住処は、この地上世界ではないということを意味します。「霊的存在である人間にとって、霊的世界が本来の住処である」ということは、分かってみれば至極当然のことです。

人間は神によって「霊的存在」として造られました。“神の分霊”を付与され、永遠の生命体として存在することになりました。私たち人間は、わずかな地上人生を終えたあとは、霊界において永遠に生き続けることになります。霊界での生活に比べ、100年にも満たない地上人生は、本当に一瞬の仮の世界にすぎません。地上人生とはまさに、永遠の旅路における一時の逗留先のようなものなのです。

人間は死後、誰もが本来の世界である霊界に戻ることになります。地上人にとってそれは、全く見知らぬ遠い世界に赴くように感じられるかもしれませんが、そうした考え方自体が実は錯覚なのです。死によって人間は、本来の世界に戻るだけのことなのです。その意味で“死”は、素晴らしい永遠の住処に帰る喜ばしい出来事と言えるのです。

人間は霊界で永遠に生き続ける

いったん大霊から分離し独立した瞬間から、人間は「個別霊」として永遠に生き続けることになります。今、地上世界で生活している私たちは今後、何十万年、何百万年、何千万年、そして何億・何十億年……と存在することになるのです。私たちが消滅してしまうような時は決してやってきません。

何百億年か先に、地球や太陽系が滅び、宇宙全体が消滅するようなことになったとしても、人間は「霊(個別霊)」として霊界で永遠に生き続けます。霊的存在として造られた人間の寿命は無限であり、太陽系や宇宙よりも永いのです。神の分霊として生み出された人間とは、何と素晴らしい価値を持った神秘的な存在なのでしょうか。

地上世界は永遠の霊的進化の道の出発点

私たちの住む地球(物質世界)は、霊界と比較したとき、きわめて次元の低い世界です。ある意味で地上世界は、最も低い霊界・最も低次元の界層と言うことができます。私たち人間は、そのきわめて低い世界への誕生を契機として“神の分霊”を付与され、永遠の個的存在となります。物質世界へ誕生した人間は、そこを出発点として永遠の霊的進化の道を歩み始めることになるのです。

天使は物質世界に誕生することなく、霊界で誕生し、霊界で永遠の霊的進化の道をたどります。この点で、人間と天使は根本的に異なります。

一方、人間が存在する天体は、地球だけではありません。広大無辺の宇宙には、人間が住む数えきれないほどの天体が存在します。それらの天体の住人も、私たち地球人と同じようにその天体(物質世界)への誕生をもって“神の分霊”を付与され、永遠の個的存在としての歩みを始めることになります。今はさまざまな理由から、そうした他の天体の人間(宇宙人)との交流はなされていませんが、いずれの天体においても地球と同じく新しい魂が誕生し、それによって個別霊の数が増加するようになっています。

私たちが生活しているこの地球という物質世界は、人間が住む多くの天体の中で、下から2番目という低い進化のレベルにあると言われます。

宇宙というと、これまでは無限の広がりを持った一つの物質次元の空間を意味していました。しかし最近になって科学者の間から――「宇宙は一つではなく無数にあり、それらが重複するような形で存在しているのかもしれない」との見解が提起されるようになりました。霊界通信でも、宇宙は一つだけではなく、物質的な進化のレベルが異なる複数の宇宙があることを示唆しています。

地球と同じように人間が住む天体が数多くあって、そうした天体ごとに一つの宇宙が存在しているのかもしれません。進化のレベルが異なる天体それぞれに、一つの宇宙が存在している可能性が考えられます。そしてそれらはちょうど霊界のように次元が異なるため、お互いに認識することができないようになっているのかもしれません。

物質的な進化のレベルが異なる多くの天体と、それら一つ一つを取り巻く宇宙が存在しているという仮説は、いずれ科学の発達とともにその真相が解明されていくことになるでしょう。今後のスピリチュアリズムの発展にともない、その真実が明らかにされていくようになるでしょう。

地上世界の、もう一つの存在目的

物質世界は、霊界における永遠の人生のための出発点となっています。新しい魂が生まれ「個別霊」として出発する所が物質世界(地球や他の天体)であり、それが物質世界の 存在目的の一つです。

物質世界には、もう一つの存在目的があります。それは「神の子供」として誕生した人間が、その後の永遠の霊的進化の歩みに備えて基礎的な霊的成長をなす場所である、ということです。最も幼い神の子供が、それに見合った成長段階を歩むにふさわしい場所として造られたのが物質世界なのです。すなわち地球や他の天体(物質世界)は、新しい魂が誕生する場所であると同時に、それらの魂(個別霊)が初歩的な霊的成長をなすための“訓練場所”として造られているということなのです。

このように地球をはじめとする物質世界には、2つの存在目的があります。一つは「新しい魂を誕生させて、個別霊を増加させる」ということ、もう一つは「神の子供として誕生した個別霊が、その後の永遠の霊的進化の道を歩むために必要な基本的な霊的成長をなす」ということです。地上に誕生した人間が、こうした神の意図した目的にそって基本的な霊的成長を達成するなら、霊界において永遠の霊的進化の道を順調に歩み出すことができるようになります。

しかし重大な結論を言えば、これまで地球に誕生した大半の人間が、必要最低限の霊的成長のプロセスを全うすることができませんでした。そのため基本的な霊的成長をなすことを目的として、何度も地上人生を送らなければならなくなりました。それが物質世界への「再生」なのです。再生は現在の地球上では神秘的な出来事のように思われていますが、実はそれは地球人として生まれた新しい霊が、最低限の霊的成長を果たせないために仕方なく繰り返されている現象なのです。

実は再生という現象は、地球よりはるかに霊的に進化した他の天体においても見られます。そうした天体(物質世界)でも、やはり基本的な霊的成長をするために引き起こされますが、そこでの再生の期間は地球に比べ、ずっと短くなっています。

2)地上人の心と霊体は、今この時も霊界に存在する

霊界の存在を信じている人は死後、霊界に行って今とは全く違う人生を歩み始めるようになることを知っています。しかし勘違いしてはならないのは、私たちは実際に今、地上世界に生きていると同時に、霊界にも存在しているということです。私たち地上人は、肉体と霊体の二重構造から成り立っていますが、「霊体」やその中にある「霊的意識(霊の心)」は、今この時も霊界に所属しているのです。霊体は霊界に、肉体は物質界にというように、人間は霊界と地上界という2つの世界にまたがって存在しているのです。私たちは今、いろいろなことを考えていますが、その思考の多くが「霊的意識」――すなわち霊界に所属する「霊の心」から発しています。不思議に思われるかもしれませんが、私たちの身体の半分は霊界にあり、半分は地上界(物質界)にあるのです。

地上人は肉体に包まれ“脳”という物質器官を通じて意識を自覚するようになっているため、自分が霊界に半分足を踏み入れ、霊界で思考活動をしているなどというようなことは夢にも思いません。しかし、それは事実なのです。こうした点から見れば、私たちは、すでに立派な霊界人と言えます。あるいは一時的に肉体をまとった特別な霊界人と言えるのです。

3)霊界の存在を知らないことは“最大の悲劇”

現在、地球上に住む人間の中で、霊界が本来の世界であることを知っている人はほとんどいません。霊界が本来の世界であり、しかもその世界が素晴らしい所であることを知れば、誰も“死”を恐れるようなことはなくなります。それどころか“死”を地上人生のご褒美として、楽しみに待つようになるはずです。これが摂理にそった人間のあり方です。しかし地球上の大半の人々は死を恐れ、死を特別な出来事のように大げさに考えています。あまりにも的外れな考え方をして、自分自身の首を絞めることになっています。

霊界の事実を知らなかったために、あるいは霊界の存在を信じてはいても間違って理解してきたために、どれほど無用の苦しみと恐れを抱いて生きてきたことでしょうか。また、地上の富や名声といった霊的には何の価値もないものにとらわれ続けてきたことでしょうか。霊界が私たち人間にとっての永遠の住処であることを知らず、死をむやみに恐れることは“悲劇”としか言いようがありません。

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