(3)類魂説に立脚した新しい再生論の登場

古来より宗教は、輪廻再生つまり人間の生まれ変わりを説いてきました。その中でも特に古代インドのウパニシャッドと仏教の輪廻再生思想はよく知られています。死後の世界に興味を持っている人々にとって、再生の問題は大きな関心事の1つです。多くの現代人が再生に強い関心を示しています。ではスピリチュアリズムでは、この再生の問題をどのように説明しているのでしょうか。

1)「再生論」をめぐる霊界通信間の矛盾

再生は、従来のスピリチュアリズムにおける最大の難問

再生のテーマは、これまでのスピリチュアリズムの歴史の中で、最も異論の多い問題の1つでした。霊界通信を通じて再生を否定する霊がいるかと思えば、その一方で別の霊が再生の事実を強力に主張してきました。それが長い間、スピリチュアリズムの内部に大きな意見の食い違いを発生させる一因となりました。

霊的能力の乏しい地上人同士の意見が食い違ったからといって大きな問題とは言えませんが、私たち地上人とは比較にならない霊的能力を備えた霊界の人々の間において意見が異なるという事実は、この問題がきわめて複雑で難しいものであることを物語っています。再生の問題は、とうてい私たち地上人の手に負えるようなものではないのです。

霊たちの見解が相違するようになった理由

このように従来のスピリチュアリズムの歴史の中には、霊能者や通信霊が再生を否定するようなケースがありました。しかしスピリチュアリズム自体が進化発展の歩みをたどる中で、シルバーバーチやホワイトイーグルといった高級霊の登場により、再生が確たる事実であることが霊界サイドから明らかにされるようになりました。またそれと同時に、どうしてこれまで霊たちの間において見解の相違が発生するようになったのかという点についても、明白な説明がなされるようになりました。

霊たちの間で再生についての意見が分かれる原因を一言で言うならば――「通信を送ってくる霊自体の霊的成長度がさまざまである」ということに言い尽くされます。ある程度の霊的高さにまで至らないかぎり、霊といえども再生の事実を知ることはできない、という事情があったからなのです。霊媒を通じて現れる霊の大半は、幽界や霊界の下層にいる者です。そしてそのような霊たちには、再生の事実を知る経験も知識もないのです。

幸いなことに私たちは現在、シルバーバーチに代表される高級霊からの霊界通信によって、再生に関する詳細な事実を知ることができるようになっています。

2)類魂説に立脚した再生論の登場

高級霊の明かしたところによれば、「再生」という現象は確実に存在します。そしてその再生は、先に述べた「類魂」との密接な関係の中で行われるものであるということなのです。類魂と再生は、一体不可分の関係にあるという重大な事実が、シルバーバーチに代表される高級霊によって初めて明らかにされるようになりました。

従来、仏教などのように輪廻転生を説く宗教は数多くありましたが、霊界における詳細な事実と、類魂についての明確な認識がなかったため、真実の再生論からは大きく懸け離れたものでした。ほとんど空想と言った方がいいようなものばかりでした。これまでの人類史上において、輪廻再生の事実を正確に説明したものは存在しませんでした。

スピリチュアリズムによって地上人類は、初めて真実の再生論を手にすることになりました。「類魂説」に立った再生の事実を知ることになりました。以下ではスピリチュアリズムの明らかにした再生論を学んでいきますが、まず初めに再生の目的について見ていきます。

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