(7)霊界は真実の幸福の世界

――神を中心とする「霊的大家族世界」

霊界から地上世界を見ると

――地上は“暗黒の世界”

これまで「霊界」という素晴らしい世界について見てきましたが、では霊界側では、地上世界をどのように見ているのでしょうか。光り輝く霊界と比較したならば、今私たちが住んでいる地上は、まさに暗黒の世界・暗闇の世界です。使命を持って霊界から地上近くに降りてきた霊たちは一様に、地上はまさに息の詰まるような所であると言います。霊的な輝きも喜びも生命力もなく、どこも陰鬱いんうつな雰囲気に包まれていて、何ひとつ魅力のない世界であると言います。生きることに喜びを感じている人は、ほとんどいないと言っています。

いったん霊界の素晴らしさを知った霊たちは、地上近くに降りてくることにためらいを覚えるようになります。地上世界に住んでいる人間は、現在の地球上の状況をごく当たり前のように思っていますが、それはまさに“井の中の蛙”と同じことなのです。地上世界の醜さを実感できないのは、私たち地上人が暗黒の世界の中にどっぷり浸かっているからなのです。

シルバーバーチは、次のように語っています。

「物質界に降りて来るのは、正直に言って嫌なのです。楽しいものではありません。光もなく活気もなく、うっとうしくて単調で、生命力に欠けています。たとえて見れば、弾力性のなくなったクッションのような感じで、何もかもがだらしなく感じられます。どこもかしこも陰気でいけません。」

『シルバーバーチの霊訓 霊的新時代の到来』(スピリチュアリズム普及会)p.96

シルバーバーチの言葉を聞くと、「私たちの住んでいるこの地球は、そんなにひどい所なのだろうか……」との思いを持たれるに違いありません。しかし、ほとんどすべての霊界通信が同様のことを伝えているところから察すると、これは間違いのない事実と思われます。

さらにショックなことですが、シルバーバーチは――「現在、私たちの住んでいる地球は、他の生命の住む惑星の中で下から2番目に低い世界である」と言っています。まさに地球全体が、程度の悪い“地獄”に等しいような世界であるということなのです。

利他主義一色の世界

霊界では金銭の心配がありませんし、地上のような弱肉強食の生存競争もありません。弱者がいじめられるということもありません。“霊界の強者”とは、弱者に救いの手を差し伸べる力があるという意味であり、愛が多ければ多いほど、また他人のことを心配できる人間であればあるほど、人の上に立つようになります。したがって霊界には、地上のような権力者はいませんし、利己主義者も一切存在しません。

このように霊界は、利他主義一色の世界となっています。そして高い界層に行けば行くほど、利他性の程度はいっそう強くなり深まります。利他性の深さによって、住む界層の上下が決められているのです。“利他性”が人々を支配している霊界では、あらゆる界層において、その霊的レベルに応じた幸福と喜びが満ちあふれています。

神を中心とする霊的大家族世界の実現

霊界のあらゆる界層は、低い所から最も高い所に至るまで、それぞれの界層に応じた幸福感と喜びに満たされています。低い界層にいる霊は、その界層なりの幸福感と喜びに満たされ、不満を持つような者はいません。霊界には、幸福を私有して自分だけのものにしようとする者はいません。幸福を自分だけのものにしようとする利己主義者は、霊界には存在しません。

霊界では、幸福を独り占めしようとしてもできないのです。なぜなら“幸福”とは、他人と、また全体と分かち合うところに発生するものだからです。もし“幸福を独り占めしたい”というような利己的な考えを持つと霊界にはいられなくなり、自動的に幽界の下層に追いやられることになってしまいます。

霊界では、どこにいても本当の喜びが存在します。苦痛は一切なく、各自の心は安らぎに満たされ、それを乱す者は存在しません。界層内ばかりでなく霊界全体に、至純の愛が満ちあふれ、この愛がすべての霊たちの心を結びつけ、全員が「霊的同胞意識」を実感しているのです。まさに“神”を共通の親とする「霊的大家族世界」が実現しているのです。

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