(2)すべてが地上とそっくりの幽界の環境
すべてが地上とそっくりの幽界
他界者が幽界に入ってまず驚くことは、すべてが地上とそっくりであるということです。そこに住む人間の姿も生活環境も、地上世界と少しも変わりません。これがあれほど恐れていた死後の世界なのかと驚くと同時に、そこが地上とほとんど変わらない所であることに安心します。
幽界には、地上のような山があり、川があり、湖や海があり、田や畑があり、町並があります。これまで生活してきた地上の世界と、何もかもが同じなのです。そこには地上にあるもののすべてが存在しています。ただし全体的には地上の世界より、ずっと明るく美しく輝いています。
地上と死後の世界が区別できずに“地縛霊”になる者たち
幽界があまりにも地上世界と似ているため、他界者の中には、寝ているうちに地上の別の所へきたように錯覚し、そこが死後の世界であることに気がつかない者もいます。周りの人たちが「すでにあなたは死んでいるのですよ」と説明しても、「自分は生きている」と思い込み、頑として聞き入れようとしません。「自分はこうして生きているのに、あなたはどうして私が死んでいるなどと言うのですか」と怒り出すことさえあります。
いつまでも自分の死を認めず死の自覚を持てない者は、“地縛霊”となって地上近くに留まり続けることになります。
幽界と地上がそっくりなのは「神の配慮」
死後の最初の世界(幽界)が、地上世界と区別がつかないほど似ているということは、神(大霊)のありがたい配慮です。もしも死後、死の眠りから目覚めた世界が地上と全く異なる環境だとするなら、急激な変化によってたいへんなショック・衝撃を受け、大混乱を引き起こすようになるはずです。
神は、すべての人間にできるだけショックを減らし、心の平静さを保たせようとして、地上とそっくりの環境を準備されたのです。
地上での睡眠中に、何度も訪問
他界者の多くが幽界に入ると、「以前にもここにきたことがある」と思うようになります。景色も人間も見覚えがあるものばかりです。それもそのはずで、地上にいたときから睡眠中に「幽体離脱状態」でたびたび訪れていたからです。そのときも幽界の楽しさを満喫し、幽界の人々と一緒にひと時を過ごしたり、談話をしていたのです。
こうした睡眠中の幽界訪問があればこそ、死後の霊的世界への適応がスムーズに行われることになるのです。人間は地上にいる間から、すでにこうした形で死後の世界への準備・下馴らしをしています。地上に住む誰もが、毎晩のように幽界に赴き、そこでの体験を積み重ねているのです。