(4)終末思想・再臨思想の真意
地上の宗教の中には、「現在は終末の世であり、天変地異によって地球が滅んでしまう」とか、「キリストが地上に再臨して地上天国を造る」「近々、地球人類は転換点を迎える」などといった予言をするところがあります。自分たちの教団こそが終末の地球人類と地球を救う使命を持っていると主張し、活発に活動をしています。
しかし、そこで言われているキリスト(メシア)の地上再臨や、天変地異による世の終わりなどというようなことは決して起こりません。
キリストの再臨思想
キリスト教徒にとって“イエスの再臨”は、きわめて重要な意味を持っています。キリスト教徒の信仰は、まさにイエスの再臨を信じることによって維持されてきたと言えます。クリスチャンにとって、イエスの再臨は最終的な希望なのです。
しかしその再臨については、さまざまな考え方・とらえ方があります。ある者は、聖書の文字どおりイエスが空中に聖徒を従えてやってくると考えています。またある者は、イエスは人間として生まれ、その際、手足にクギの跡を持って誕生すると言います。またあるクリスチャンは、再臨するのはかつてのイエスではなく、同じ使命を持った別の人物が再臨のメシアとして地上に現れると考えています。そして、それぞれの見解の正当性を神学的論拠に基づき主張しています。
キリスト再臨の真意
しかしスピリチュアリズムの観点から結論を言えば、こうした再臨についての従来の諸説は、すべて間違っています。“再臨”の本当の意味は、霊界通信によって明らかにされています。イエスを中心とする高級霊団がスピリチュアリズムを興してきたことは何度も述べましたが、イエスの再臨の意味するものは、まさにこのことだったのです。
現在、イエスを中心とする高級霊団は“スピリチュアリズム”という形を通して地球人類救済のための働きかけをしていますが、それこそが「イエスの再臨の実態」なのです。かつてのイエスと同一の人物が再び地上に再生するのではなく――「イエスの霊的影響力が地上に到来する」ということなのです。イエス本人が再び地上に人間の姿をとって現れることはありませんし、イエスと同じ使命を持った人物(メシア)が、第二のイエスとして地上に誕生するというようなこともありません。スピリチュアリズムによってもたらされた「霊的真理」こそが、まさにキリストの再臨の実態そのものなのです。イエスの再臨とは、人ではなく「霊的影響力・霊的真理」のことを指しています。
ゆえに“スピリチュアリスト”こそ、再臨したイエスに真っ先に出会っている当事者ということになります。クリスチャンにとって、こうした見解はとても受け入れ難いことでしょうし、彼らの多くは、そんなデタラメを言うスピリチュアリズムは巧妙なサタンの手先に他ならないと言うでしょう。しかし今述べたことは紛れもない「霊的事実」であり、霊界に行った際には誰もが認めることになるのです。彼らも死ねば、霊界の事実を通してそのことを認めざるをえなくなります。
「キリストの再来とは霊的再来のことです。人間が夢想するような、肉体に宿っての再生ではありません。使徒を通じて聞く耳をもつ者に語りかけるという意味での再来なのです。」
「今まさに主イエスが(新しい啓示をたずさえて)地上へ帰って来つつあるのです。それを、中継の霊団を通じて行っておられます。必要とあれば、みずから影響力を人間に行使されることもあるかも知れません。が、肉体に宿って再生されることは絶対にありません。」
私たちは“スピリチュアリズム”が、イエスを頂点とする高級霊によって進められていることを常に意識していなければなりません。しかし、決して“イエス信仰”に陥ってはなりません。シルバーバーチの次の言葉を、深く心にとめておきましょう。
「私がこうしてイエスについて語る時、私はいつも“イエス崇拝”を煽ることにならなければよいが、という懸念があります。」
「イエスを信仰の対象とする必要はないのです。(中略)それよりも、イエスの生き方を自分の生き方の手本として、さらにそれ以上のことをするように努力することです。」
終末思想の真意
メシアの再臨による人類の救済と言われてきたものの真意は、霊界を挙げての霊的影響力の行使、すなわちスピリチュアリズム運動の到来のことでした。スピリチュアリズムによって「霊的真理」がもたらされ、地球人類が霊的覚醒の時期を迎えるということが、キリストの再臨の本当の意味だったのです。
また終末において世が滅ぶということの真意は、スピリチュアリズムによる霊的真理の普及によって、これまでの古い宗教や思想が滅び、新しい霊的文明が到来するようになることなのです。利己主義に支配されてきた暗黒の地球が消滅し、霊的真理によって明るい“霊的光”に包まれた地球に生まれ変わることが終末の本当の意味だったのです。
こちらもご覧ください