(3)人間の身体の5つの構成要素と、三位一体論

1)地上人の5つの構成要素

地上の人間は、天使と動物の合体形

人間は、霊的要素として「霊」と「霊の心(霊的意識)」と「霊体」を、物質的要素として「肉体の心(本能)」と「肉体」を有しています。初めから霊界に誕生し、一度も物質的な肉体をまとったことのない天使は、「霊」と「霊の心」と「霊の身体」を持っています。一方、地上世界の動物は、「本能(肉の心)」「肉体」とを持っています。

天使の持っている3つの霊的要素と動物が持っている2つの物質的要素のトータルが、私たち人間なのです。このように考えると私たち地上人は、まさに霊界にいる天使と物質界にいる動物を合体させたような存在と言えます。地上世界にいながらにして身体の半分は霊界に属し、半分は物質界に属しています。地上の人間は、神の造られた存在物の中で、きわめて特殊な状態に置かれているのです。

地上の人間

  • 天使的要素(霊・霊の心・霊的身体)
  • 動物的要素(肉体・本能)

5つの構成要素の全体

これまでの説明から、私たち地上の人間は「霊体」と「肉体」、「霊の心」と「本能(肉体の心)」、そして「霊」から成り立つ存在であることが明らかになりました。ここではそうした地上人を構成する5つの要素を全体的に整理することにします。これら5つの構成要素の関係を図示すると次のようになります。

人間の5つの構成要素

2)5つの構成要素間の上下関係

人間は、霊・霊の心・霊体・本能・肉体の5つの構成要素から成り立っていますが、これらの中で一番の大もと、すなわち人間自我の核(本我・真我)が「霊」であることは言うまでもありません。「霊の心」は、この「霊」の表現体あるいは道具・外皮に譬えることができます。

同様に「霊体」は、「霊の心(霊的意識)」の表現器官・道具・外皮と言えます。霊的意識によって霊体の状態が変化したり、霊の心の命令によって霊体はさまざまな行動をとることになるからです。本能と肉体の関係もこれと同じで、本能が主人で肉体が従者・道具のようなものです。

ここでもう1つの重要な点は、霊・霊の心・霊体の3つの「霊的要素」は本来、本能・肉体という2つの「物質的要素」に対して上位にあるということです。すなわち霊的意識は本能より上位に、霊体は肉体より上位にあるということなのです。これが5つの構成要素における正しい秩序・関係であり、神の摂理にそった在り方なのです。この秩序が保たれているとき、人間は健康を維持し、反対にこの秩序が崩れると病気になります。

こうした霊的上下の秩序を「霊優位」「霊主肉従」の関係と言います。それを図示すると次のようになります。矢印の向きが上下関係を示しています。

「霊優位」「霊主肉従」の関係

3)さまざまな三位一体論

スピリチュアリズムでは、人間は三位一体の存在であると定義します。三位一体とは、人間を構成する5つの要素の位置関係を示したものであり、構成要素の三分法のことです。その三位一体論には、さまざまな種類が考えられます。

①最もオーソドックスなものは、「霊-心(意識)-身体」の三分法です。この場合の「心」とは、霊的心(霊的意識)と肉的心(本能)の2つをひとまとめにしたものであり、「身体」とは、霊体と肉体の2つをひとまとめにしたものです。

  • ――心・意識(霊的意識・本能)――身体(霊体・肉体)

②「霊-霊的要素-肉的要素」という三分法もよく用いられます。霊的要素とは、霊の心と霊体をひとまとめにしたもの、肉的要素とは、本能と肉体をひとまとめにしたものです。

  • ――霊的要素(霊的意識・霊体)――肉的要素(本能・肉体)

③一方、三分法の1つのバリエーションとして、無形要素と有形要素の2つに分類する方法もよく行われます。形態を持たない要素が無形要素ですが、霊と2つの意識(霊的意識と本能)がこれに当たります。無形要素は意識レベルの内容によって、本能のような低次元のものから、霊という最高次元に至るグラデーション的段階があります。有形要素は霊体と肉体の2つの身体のことです。

  • 無形要素(霊・霊的意識・本能)――有形要素(霊体・肉体)

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