スピリチュアリズムの思想[Ⅳ]
はじめに
スピリチュアリズムによってもたらされた膨大な霊的知識
地球人類は「霊的無知」から発生した“物質中心主義”と“利己主義”によって、「戦争」「貧困・飢餓」「間違った宗教による霊的牢獄」「精神の堕落・退廃」「動物虐待・自然環境破壊」といったさまざまな悲劇を発生させることになりました。地球はまさに、霊的光の届かない暗黒の地獄と化しています。地球人類は現在に至るまで、悲劇と不幸の中で苦しみ続けてきましたが、その惨状から人類を救済するために、イエスを中心とする霊界の人々が立ち上がりました。それが高級霊界を挙げての「地球人類救済プロジェクト」――“スピリチュアリズム運動”なのです。
霊界主導のスピリチュアリズム運動は、地球人類の悲劇の根本原因である「霊的無知」を解決するために、地上世界に「霊的真理」をもたらすことを最大の目的として出発しました。そしてその目的のもとで、霊界から地上世界に向けて総力を傾けた働きかけがなされてきました。高級霊たちが推進する「地球人類救済計画」は、さまざまな困難を克服する中で徐々に成功を収め、多くの霊的知識・霊的情報が地上にもたらされることになりました。
「霊界通信」を通して地上に伝えられた膨大な霊的知識は、これまで地球人類が手にすることのなかった最高の叡智です。それは間違いなく地球人類の「霊的無知」を克服し、これまで地球上を支配してきた悲劇を根本から解決することになります。今後の地球人類の運命は、スピリチュアリズムの霊的真理がどのようにして地球全体に広まっていくのかによって決定されることになります。
スピリチュアリズムが地上で展開を始めてからすでに、170年の歳月が過ぎ去ろうとしています。この170年間の歩みを通してスピリチュアリズムは、地球人類が“真の救い”を手にするのに必要な「霊的真理・霊的知識」を伝えることに成功しました。スピリチュアリズムによってもたらされた霊的真理は膨大な量にのぼりますが、それも初めは基本的な真理から降ろされ、やがてより核心的・包括的なものへとレベルアップしていきました。そうした霊的真理のどれもが、地上ではこれまで明らかにされてこなかったものばかりです。その膨大な霊的真理は、『シルバーバーチの霊訓』『モーゼスの霊訓』『霊の書』という“世界三大霊訓”の中に見事に集約されています。世界三大霊訓はまさに、地球人類が手にした最高の霊的宝と言えます。
その世界三大霊訓の中でも『シルバーバーチの霊訓』は、スピリチュアリズム思想の最高峰であり、地球人類が真の救いに至るための“バイブル”と言うべきものです。『シルバーバーチの霊訓』は、スピリチュアリズムによってもたらされた霊的真理・霊的知識の集大成なのです。
膨大な霊的知識の3通りの整理・体系化
――スピリチュアリズムの思想体系
現在、スピリチュアリズムの地上展開の歴史は170年に至ろうとしていますが、この期間にスピリチュアリズムは、地球全体に霊的真理を普及していく準備態勢を整えました。それにともない、これまでにもたらされた霊的知識を整理し、体系化する必要性が出てきました。
地球人類がスピリチュアリズムを正しく理解するためには、膨大な霊的知識・霊的情報を整理し、真理(思想)体系としてまとめることが不可欠です。その体系化された知識を通して人々は、霊界からのメッセージの真意をより正確に理解することが可能となり、スピリチュアリズムの教えが地上世界に定着していくようになります。こうした目的にそって霊的知識の体系化をはかったものが、当サイトで公開しているスピリチュアリズムの思想[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]です。霊的真理の体系化は、人類史上初めての試みです。
すでに公開している真理(思想)体系の内容を簡単に説明すると、次のようになります。スピリチュアリズムの思想[Ⅰ]では、「人間とはどのような存在なのか」「人間の構成はどのようになっているのか」「誰にも訪れる死とは何か」「地上人は死を迎えた後、どのような道をたどることになるのか」「死後の世界とはどのような所なのか」「再生とは何か」といった人類にとっての普遍的テーマを扱っています。思想[Ⅰ]は、私たち地上の人間が死後、たどることになる霊的成長の歩みを中心軸として霊的知識を整理・体系化しています。そこには従来の思想・哲学が求め続けてきた人間観・死生観・死後観・再生観に関するスピリチュアリズムの卓見が示されています。思想[Ⅰ]は、人間の永遠の歩みの観点(時間軸)からの思想体系です。
スピリチュアリズムの思想[Ⅱ]では、私たち地上人を取り巻く3つの世界(神・霊界・物質世界)を中心軸として霊的知識を整理・体系化しています。「人間にとっての根本世界・原因世界である“神”とは、どのような存在なのか」「地上世界を取り巻くようにして存在している霊的世界とは、どのような世界なのか」そして「そこにはどのような存在者がいるのか」「私たちが今住んでいる地上世界は、どのようになっているのか」「地上世界(地球)が“暗黒の世界”となっている根本原因とは何か」について明らかにしています。思想[Ⅱ]は、存在論の観点(水平軸)からの思想体系です。
そしてスピリチュアリズムの思想[Ⅲ]では、霊界から示された霊的知識を「霊的成長」に結びつけるための実践という観点から整理・体系化しています。したがって思想[Ⅲ]は、「霊的真理の実践論(霊的人生論)」ということになります。スピリチュアリズムの霊的知識は、地上人がそれを実践に移して霊的成長を達成するために霊界から与えられたものです。霊的知識の目的は、どこまでも実践にあるのです。それは「霊的真理の忠実な実践こそが正しい信仰であり、地上人としての正しい生き方である」ということを意味しています。スピリチュアリズム的な生き方とは、地上にありながら“霊的人生”を歩むことに他なりません。思想[Ⅲ]は、霊的成長と信仰の観点(実践軸)からの思想体系です。
当サイトではスピリチュアリズムの目的にそって、以上のような形で霊的知識を3通りの思想体系として整理しています。
*膨大な霊的知識を整理・体系化することは、実に困難な作業です。多くの時間とエネルギーを必要とします。私たちは将来、優れた人間によって、より洗練された霊的知識の体系化がなされることを希望しています。私たちとしては、21世紀の初頭というスピリチュアリズムの霊的知識が出揃った時点で、とりあえず膨大な知識を何とかして整理しなければとの思いから作業に取りかかりました。霊的知識の体系化は私たちの手に余る大変な作業であり、出来上がったものは必ずしも十分とは言えません。しかしそれは、今後のさらなる飛躍のためのたたき台としての役目は果たすことができるものと考えています。
霊界を挙げてのスピリチュアリズム運動の地上サイドの道具として、微力ながらできる限りの貢献をしたいと願い、霊的真理の体系化に臨みました。
スピリチュアリズムの思想[Ⅳ]の目的と特色
すでにネット上で公表している3つの思想体系に続いて、ここではスピリチュアリズムの思想[Ⅳ]を提示します。
この思想[Ⅳ]では、スピリチュアリズムの思想[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]の中に組み込むことができなかったものの中で、特に重要性が高いテーマを取り上げます。そのため思想[Ⅳ]は、体系としてではなく、小テーマを列挙するという形式になっています。思想[Ⅳ]で扱うテーマはいずれも、スピリチュアリズムの思想[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]を補強する内容となっています。これによって「スピリチュアリズムの思想」の全体について、より深い理解が促されるようになるはずです。
スピリチュアリズムの思想[Ⅳ]で取り上げるテーマは多岐にわたりますが、内容的に大きく3つに分けて、1部・2部・3部としています。第1部では、スピリチュアリズムの霊的真理に直接関係する内容を取り上げます。これによって、霊的真理のさらなる深い理解が可能となります。第2部では、地上の宗教をスピリチュアリズムの霊的観点から見ていきます。地球上の宗教に共通する問題を取り上げ、さらにキリスト教や仏教など、世界宗教の問題点を霊的観点から明らかにしていきます。こうした他の宗教との比較を通して、スピリチュアリズムの思想の特徴と卓越性を明確に理解することができるようになります。第3部では、宗教以外の人間の活動分野について、スピリチュアリズムの霊的観点から検証していきます。地球上の人間はさまざまな営み(政治・経済・科学・医学など)をしていますが、それらが抱える問題と、あるべき理想の姿をスピリチュアリズムの観点から明らかにしていきます。それを通して、地球人類が目指すべき方向性を示していきます。
スピリチュアリズムの思想[Ⅳ]は、こうした3つの部分から成り立っています。なお、この思想[Ⅳ]は、今後、説明の必要性があるテーマが生じた場合には、順次、付け加えていきます。したがって時間の経過とともに、取り上げるテーマの数が増えていく可能性があります。