日本を取り巻く最近の情勢をスピリチュアリズムから見ると

ニューズレター第42号

ミャンマーのサイクロン災害、そして中国の四川大地震によって苦しむ人々の様子が連日放映されています。そうした災害は、決して他人事ではありません。日本人全員の上にも大きな災害が、突如降りかかってくる可能性があるのです。

その中で特に注意すべきものが「パンデミック(鳥インフルエンザの感染爆発)」です。これについてはマスメディアでしばしば報じられていますので、大体の様子はご存知のことと思います。パンデミックは、もはや避けることができない出来事であり、時間の問題であると言われています。そしてパンデミック以外のもう一つの重大事が「世界経済の破綻」です。アメリカのドル暴落か中国のバブル崩壊がそのきっかけになるだろうと予想されていますが、それはいつ発生してもおかしくない状況にあります。

世界経済が破綻すれば、間違いなく日本の国家破産は一気に表面化することになるでしょう。ここしばらくの間は米国のサブプライムローンに端を発した世界経済の混乱が問題となってきましたが、今後発生することになる世界大恐慌は、規模においても悲惨さにおいても、それとは比較にならない深刻なものとなるはずです。

そうした事態を迎えたときには日本国民の多くが、どん底の生活に叩き落されることになるでしょう。現在のミャンマーや中国の人々の悲惨な状況が、私たち日本人にとっても現実のものとなるのです。財産を一瞬にして失い、町には最低限の生活さえままならない人々があふれ、社会の機能はマヒ状態に陥ります。今の状況からでは想像がつかないような事態が、現実に迫っているのです。ここ50年間に体験したことがないような悲惨な状況が訪れ、大勢の人々が絶望し、自殺者が絶えないことになるでしょう。

日本は長い間、直接的な戦争の脅威にさらされることもなく、人々は物欲追求に奔走し、物質的快楽と飽食に浸ってきました。霊的に見ると極端な「肉主霊従の状態」が続いてきたのです。その結果、もはや日本人自身では、それに歯止めをかけることができないところにまで至っています。これまで物欲と本能的快楽にどっぷりと漬かってきた日本人にとって、かつて体験したことがないような大衝撃に襲われることになります。そして人々は塗炭とたんの苦しみの生活に、いやおうなく追い込まれるようになるのです。

このような事態は物質的視野から見れば、大悲劇・大不幸ということになります。しかし霊的に見れば、物欲への傾斜を断ち切り、再出発するよい機会と言えます。日本人の性格からして、こうしたことでもない限り根本的な改革・やり直しはできません。また日本の政治に期待することは、とうていできません。その意味で迫りつつある経済破綻は、霊的には日本人にとって、よい結果をもたらすことになります。日本経済がどん底まで落ちて、初めてやり直しができるようになるのです。今後、確実に遭遇することになる地獄のような状況の中で、日本国家と日本人が霊的な方向に歩み出せるようになることを心から願わずにはいられません。

最近では中国関連の出来事や事件が、立て続けに話題になりました。毒ギョーザ事件から始まり、東シナ海の石油掘削問題・チベット問題(チベット民族弾圧事件)・オリンピック聖火リレー問題・四川大地震と続きました。中国は霊的に見たとき、世界の中で最もエゴ性・物欲性の強い国です。霊性のきわめて低い国家と言えます。そして一番の問題は、共産党による“一党独裁体制”が現実に存在しているということです。資本主義経済と共産党一党独裁体制という前代未聞の矛盾したシステムは、必ず破綻することになります。この二つは本来的に両立することは不可能だからです。

しかし近年中国は、“世界の工場”とまで言われるほどの経済的大発展を遂げました。そして世界各国の企業は中国での大儲けの魅力に引き寄せられて中国に進出し、中国経済の中に巻き込まれてしまうことになりました。かねのために、いずれの先進諸国も魂を売り渡してしまったのです。日本企業もその代表です。すべてが“金儲け”という動機のもとで中国になびき、邪悪な中国政府にびへつらうことになってしまいました。こうした状況は、日本のマスメディアも日本の政治家も全く同じです。

共産党による一党独裁というシステムは、人類にとっての“最大の敵”と言わなければなりません。それは中国人ばかりでなく地球人類の幸せにとって最大の障害となるものであり、何としても地球上から取り除かなければならないがんなのです。物欲とエゴが凝縮したシステムの中で中国は、自国の利益しか考えず、内部ではすさまじい権力闘争が繰り広げられています。他国の利益を強引に奪い取ることは当たり前で、自分たちだけが利益を得ればそれでよし、とするのです。

そうした一党独裁体制の支配のもとでは、大半の中国人民が思想や宗教の自由を奪われ、霊的存在としての最低限の権利さえ認められていません。それが「チベット問題」として表に出たのです。私たちが確たる良識と良心を持っているなら、中国政府を支持すべきか、あるいはチベット人を応援・支持すべきかはハッキリしています。人類にとっての敵がいずれであるのかは、今さら言うまでもありません。今回のオリンピックは、すべてが政治イベントと言うべきものであって“国家エゴ”の手段と化しています。確かにスポーツは人々に多くの感動と勇気を与え、人間の持つ気高さを引き出すこともありますが、チベット人への迫害という人類の尊厳に対する不当な行為を前にして、そうした理想を並べ立てることがあってはなりません。

本来なら日本や欧米の先進諸国は、こぞって今回のオリンピックには不参加を表明すべきだったのです。チベット人を迫害し、人倫を冒涜ぼうとくする中国の共産党一党独裁体制に、正面きって反対を表明すべきだったのです。魂を売ってまで、人類の敵と仲良くする必要などありません。敵対視されても高貴な理想を主張し、毅然きぜんと対処するのが当然の在り方なのです。

中国社会の内部矛盾と経済矛盾は、すでに限界を超えています。「神の摂理」という観点から見たとき、もはやいつまでもそうした矛盾を抱えたまま走り続けることはできません。国家が崩壊するような事態が、いずれやってくることは間違いありません。そのときには、それまで金だけのために中国に進出した日本企業の工場は人質同然の状態に置かれ、中国での財産を一瞬にして失うことになるでしょう。また同時に日本国家も、それまでの優柔不断なエゴのツケを払わされることになるのです。

残念なことですが日本の現状を見るかぎり、破綻状態に突き落とされ、国民全員が苦しみのどん底に立たされることが、霊的には一番ふさわしい道・再出発する唯一の道であるように思われます。そうなって初めて人々は、物質のしがらみから解放され、「霊的世界・霊的生き方」に目覚めることになるでしょう。そのときこそ、本当の“スピリチュアリズム”が多くの人々の中に浸透していくことになるはずです。

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