知識の重要度を決定するのは、スピリチュアリズムの霊的真理です

――大切なものとそうでないものを、しっかりと区別しなければなりません

ニューズレター第7号

最高霊界の神庁で審議・選択された霊的真理

スピリチュアリズムによってもたらされた霊的真理は、イエスを中心とした神庁(地球に係わる最高級霊団の大組織)において審議され選択されたものです。地上人とは比較にならない視野と知性、洞察力を有する高級霊によって、地上人の魂の成長(霊的成長)に必要不可欠であると判断された知識が送られてきました。

スピリチュアリズムの霊的真理は、このように地上人類救済の全責任をもつ霊界の神庁において吟味され選別されたものであるという点において、地上のいかなる思想や宗教とも根本的に異なっています。そうした事実を考えるだけで、スピリチュアリズムの真理は、無条件に地上最高の知識と断言することができます。スピリチュアリズムは、高級霊界の神庁から送られてくる霊的真理を、最高の指針として受け止めるところから出発します。

霊的真理を地上にもたらす手段

――高級霊界通信

神庁で審議され選ばれた霊的真理は、霊界通信という手段によって地上に届けられることになります。しかし、霊界通信のすべてがその使命を持っているわけではありません。ご存じのように霊界通信にはピンからキリまであります。その中で、極めて限られたごく一部の高級霊界通信によって、霊的真理がもたらされてきました。霊的真理を純粋なまま地上におろすには大変な困難が伴います。そのために高級霊は綿密な計画を立て、総力をあげてその道を開拓してきました。

信頼に足る優れた霊界通信とは、物質の影響力を極力排除し、霊界の意向を忠実に伝達しているものです。そうした優れた霊界通信の中でも、『シルバーバーチの霊訓』、モーゼスの『霊訓』、アラン・カルデックの『霊の書』は、三大霊訓と呼ぶにふさわしい内容を持っています。

『シルバーバーチの霊訓』は最高の霊的基準

このニューズレターは、高級霊界から送られてきた霊的真理を地上における最高の指針としています。そして霊的真理を「絶対の基準」として、それと他のものを比較するというスタンスを貫いています。ニューズレターにシルバーバーチの言葉をたびたび引用しているのは、シルバーバーチという一人の指導霊を崇拝の対象としているからではなく、シルバーバーチの語る内容が、最も霊的真理を適確に伝えていると判断しているためなのです。

シルバーバーチの通信は半世紀という長期間にわたって継続されてきました。そしてその間、シルバーバーチの説くところには何の矛盾もなく、常に一貫しています。語られる内容は、スケール・深さ・正確さ・分かりやすさのどの点をとっても、他の霊界通信を圧倒しています。そのために『シルバーバーチの霊訓』を最高の霊的知識と認め、それを地上における最高の基準としているのです。

霊的真理の受容を決定するのは、その人の霊的成長度

高級霊界から示された霊的真理の受容は、その人に霊的真理を受け入れる時期がきているかどうかで決まります。「霊性」が真理を受けるにふさわしいレベルにまで進化していて、初めて可能になるということです。私達地上人の側からは、運よく霊的真理に出会ったように見えますが、それは決して単なる偶然によるものではありません。シルバーバーチの霊訓と出会いながらも、それを最高のものとして受け入れられる人とそうでない人がいるということは、真理の受容が「霊性」という絶対的な条件によって左右されるものであることを示しています。

霊的真理を受け入れるだけの霊的進化のレベル(霊的成長度)に至っていない人、すなわち時期がまだきていない人は、どのようにしても真理を受け入れることはできません。しかし、そうした人達も時がくれば、それが最高のものであることが分かるようになります。それまでは自分なりに試行錯誤の歩みをするしかありません。

霊的真理は、素直に全面的に受け入れるべきもの

スピリチュアリズムは、霊界の神庁において審議・選定された霊的知識を、地上における最高のものとして受け入れ信じるところから出発します。霊的真理を無条件に自分の人生の指針とするということです。

ところが、せっかくシルバーバーチの霊訓という最高次元の霊的真理と出会いながらも、いまだに他の宗教や思想に心の拠り所を求めている人々を見かけます。シルバーバーチと出会って何年も経っているにもかかわらず、依然として、スピリチュアリズムと他の宗教・思想を同じレベルのものとして考えているのです。最高の真理を与えられていながら、どうしてそんなことを続けるのかと驚きを禁じ得ませんが、おそらくその方は、スピリチュアリズムの霊的真理の価値と重要性を理解していらっしゃらないのでしょう。

シルバーバーチは、「霊界の神庁で審議された霊的真理が、自分を通じて地上にもたらされている」と言っています。その言葉をそっくりそのまま受け入れるなら、もはやスピリチュアリズム以外のものを求めたり、心の支えにする必要はなくなります。かつてない最高の霊的知識を、すでに手にしていることになるからです。

霊界の高級霊の好意をそのまま信じ切ってしまうことは、狂信でないどころか、最も素直で賢明な生き方です。それによって私達は、地上人生を一番有効に、余分な回り道をせずに送ることができるのです。

優れた霊界通信に共通する特徴とは

私達地上人にとって何より重要なことは、「魂を成長させる」という一言に言い尽くされます。地上生活の目的は、「霊性の向上」以外にはないと言っても過言ではありません。しかし残念なことに、現実には多くの人々はその肝心な目的から外れ、無意味な地上人生を送っています。

高級霊界からもたらされた霊的真理は、まさに地上人の霊的成長だけを目的としています。シルバーバーチに代表される高級霊訓では、魂の成長に関する知識が繰り返し繰り返し述べられ、常にその重要性が強調されています。高級霊訓には、魂の成長を促すという目的からずれたものは全く存在しません。魂の成長という一点に向けて焦点が絞られ、それが語る内容の中心に据えられています。知識自体が最高レベルにあることは言うまでもありませんが、霊的成長のための現実的な実践を、それ以上に重視しているのです。この点は、他の霊界通信のレベルを判定する際の、一つの明確な判断基準と言えます。

高級霊訓のもう一つの際立った特徴は、現在の地上人類の霊的進化のレベルに見合った知識だけを与え、霊的進化のレベルにそぐわない知識、まだ知る必要のない知識は与えないということです。すなわち語られる知識が、厳格なルールのもとでコントロールされているのです。

幼い子供にはそれに見合った知識のみが必要であるように、地上人にも霊的成長レベルにふさわしい知識が必要とされます。もし霊性を超えた知識が与えられるならば、かえって混乱と問題を引き起こすことになります。神庁における審議内容の一つには、そうした知識のコントロールという点が含まれているものと思われます。私達に与えられる霊的真理には、高級霊達の深い配慮が行き届いているのです。このことも、他の霊界通信のレベルを判断するための基準・目安となります。

どちらでもよい知識や、一見興味を引くような知識が多く含まれている霊界通信は、むしろ霊的レベルが低いと言えます。どちらでもよいこと、単なる好奇心レベルのものを並べ立てることは、地上人の魂の成長にとってマイナスを生じさせます。本来、霊的成長という最も肝心な点に向けるべき意識とエネルギーを無駄づかいさせることになります。 

重要なことだけに焦点を合わせている、余分なことに触れない、どちらでもよいことは取り上げないというのが優れた霊界通信の特長であり、レベルの低い他の霊界通信との大きな違いなのです。

『シルバーバーチの霊訓』における五種類の知識

――重要度による知識のランクづけ

シルバーバーチによって語られる知識を、重要度という観点から分析してみることにしましょう。シルバーバーチの霊訓で示された知識は、どれもが同じ重要度をもって語られているわけではありません。シルバーバーチの語る知識内容は、重要度の点から大きく五つに分けることができます。

まず一つ目は、最も重要度の高い知識です。それは最高級霊界の神庁において決定された、魂の成長をなすために不可欠な知識、霊的真理の核心ともいうべき知識です。シルバーバーチが繰り返し繰り返し強調しているものが、それに当たります。シルバーバーチはこうした知識のことを、「基本的な霊的真理」と言っています。具体的には、神観・死後世界観・霊的人間観・再生観・因果観・霊的実践論・利他愛観などです。

二つ目は、基本的な霊的真理を補足するような知識です。シルバーバーチが時々語る知識がこれに当たります。重要度の点では、基本的な霊的真理には劣ると言えますが、霊的真理であることには変わりありません。男女観・健康観・教育観などがそれに相当します。

三つ目は、シルバーバーチが地上人から質問を受けた時にのみ与える知識です。シルバーバーチ自ら積極的に語ろうとしたのではなく、質問の答えとして述べたものです。こうした知識は地上人の魂の成長という点から見れば、必須のものとは言えません。魂の成長にはストレートに関係せず、知っていても知らなくてもどちらでもよいというレベルの知識です。知識の重要度としては、かなり低いと言えます。具体的には、惑星の霊界・葬式・墓・霊現象・超能力といったものです。

四つ目は、重要性がない知識です。シルバーバーチは質問されても、あえて答えないことがあります。あるいは世間一般に知られているテーマであるにもかかわらず、一切言及していないものがあります。そうした知識は、私達が知る必要は全くない、あるいは知ることが(魂の成長にとって)マイナスになる、または、まだそれを知る時期にないと霊界によって判断されているものです。私達にとって、何一つ関心を向ける必要のない知識、むしろ関心を向けない方がよい知識と言えます。具体的には、イエスの地上時代の言動の事実関係・守護霊の身元・前世の身元・宇宙人・UFO・古代大陸文明・占星術などです。

五つ目は、ただマイナスにしかならない知識です。シルバーバーチが厳しく間違いを指摘している知識のことです。従来の宗教には、人間の魂の成長にとって大きなマイナスを引き起こす間違った知識が多くあります。それらは人類の霊的進化を遅らせる罪作りな知識です。この世から一刻も早く抹消されるべきものと言えます。具体的には、キリスト教の原罪説・サタンの実在・神とサタンの戦い・贖罪説・三位一体説などがこれに相当します。

以上が、『シルバーバーチの霊訓』にみる五種類の知識です。もう一度まとめると、次のようになります。

①最も重要な知識
シルバーバーチが繰り返し強調する、基本的な霊的真理
②重要な知識
シルバーバーチが時々語る、基本的な真理の補足的知識
③ほとんど重要でない知識
地上人から質問された時のみ、シルバーバーチが答える知識
④全く重要でない知識
不必要な知識・知る必要のない知識で、質問されてもシルバーバーチが答えないもの。シルバーバーチの霊訓中で一切取り上げられていないもの
⑤間違った知識・捨て去るべき知識
シルバーバーチが厳しく非難するもの

どちらでもよいことへの過剰な関心の弊害

スピリチュアリズムが係わりを持つのは、言うまでもなく魂の成長にプラスとなる知識以外にはありません。ところが単なる好奇心レベルの知識であるにもかかわらず、一見すると、霊的真理と区別をつけにくいものがあります。例えば、自分の前世・守護霊の身元・さまざまな霊現象・超常現象・UFO・占星術・予言などです。

スピリチュアリズムの中にも、これらに大きな関心と興味を抱いている人々がいます。また近年急激に流行したニューエイジやチャネリング、精神世界ブームでは、こうしたテーマが中心的な部分を占めています。大半のチャネリングでは、宇宙人やUFO、さらには古代アトランティス大陸文明を当たり前のように扱っています。輪廻転生における自分の前世や守護霊の身元を、簡単に知ることができるかのような間違った風潮をつくり出しています。また占星術が将来の出来事を正確に指し示すかのような、安易な認識を広めています。特に1980年代後半から、シャーリー・マクレーンによって新たな段階へと進められたニューエイジには、こうした傾向が極端に強くなっています。

ニューエイジやチャネリングによって、人々が霊的世界への関心を持つようになるのは喜ばしいことですが、その一方で、こうした本来どちらでもよいものが極めて重要なものとして取り上げられることは大きな問題です。霊的世界や輪廻、カルマの法則が存在することを、広く世の人々に知らせることになったシャーリー・マクレーンの貢献は大きなものがあります。しかしそれと同時に、その功績をすべて台なしにしてしまうほどの深刻な弊害を生み出しています。

どちらでもよいことへの過剰な関心が引き起こす最大の問題点は、本来崇高であるはずの霊界通信を、低級霊に働きの場を与え混乱を生じさせるだけの手段におとしめるということです。すなわち「チャネリングの堕落」という問題をつくり出しているのです。アメリカのチャネリングブームは、1987年をピークに下降線をたどっていると言われていますが、マクレーンによってチャネリングの存在が広く知られるようになる以前にも以後にも、あまりにも不純な要素が多く見られます。そして、それらはまともにチェックされることもなく、混乱して乱れたまま世間に流行してしまいました。魂の成長とは全く無関係などちらでもよいものが、チャネリングの中で大袈裟に語られることになりました。霊界の低級霊にとっては、地上人を混乱させて低俗なものに心を向けさせ、霊的真理から目を背けさせるチャンスが転がり込んできたようなものです。チャネリングの抱える不純な要素は、チャネリングの歴史に一貫として流れています。その不純物をチェックする機能がないところに、さらに興味だけをかき立てるような刺激が次々と与えられ、チャネリングの堕落傾向が進んできたのです。

どちらでもよいことへの過剰な関心が引き起こすもう一つの問題は、魂の成長という最も肝心な事への焦点がぼかされて、実践へのエネルギーが失われるということです。基本的な霊的真理にしがみつくような姿勢がない限り、地上において魂成長の歩みをなすことはできません。どちらでもよいようなものに興味を引かれ、多くのエネルギーを傾けている以上、成長は望めません。常に大事なこと(魂の成長)だけに関心を向けていることが大切なのです。好奇心に支配されている人間は、霊的成長の道を歩むことはできません。ひたすら霊的真理にしがみつくといったギリギリの状況が絶えず起こってくるのが地上人生なのです。その地上人生に立ち向かうためには、余分なところへエネルギーを浪費するようなことがあってはならないのです。

シルバーバーチは、「どちらでもよいことに心を向けてはいけない。肝心なことに心を向けなさい」と言っています。その意味するところは、地上人生の目的である魂の成長という一点に、すべての意識とエネルギーを傾けなさいということなのです。

「基本的な真理にしがみついていさえすれば、道を誤ることはありません。」

『シルバーバーチの霊訓(7)』(潮文社)p.58

重要な知識と、どちらでもよい知識の区別

このように霊的真理の重要度をしっかりと区別できるということは、今後皆さん方が、さまざまな霊界通信や霊能者、宗教、思想などの霊的レベルを判定するための、最強の指針を持ったことになります。

この区別をつけることができないと、どちらでもよいものが重要に思えるようになってきます。全く価値のないチャネリングを大事なものであるかのごとく考え、それに人生を掛けるようなことになってしまいます。どちらでもよいものに翻弄され、必死に追い求めるようなことにもなりかねません。すばらしい精神世界を歩んでいるつもりが、その実、何の意味もないことに夢中になっていた、ということにもなりかねないのです。現に、霊的世界や精神世界に興味を持つ多くの若者達には、その傾向がはっきりと見てとれます。

スピリチュアリズムの霊的真理を手にしたことの一つの意義は、「魂の成長」にとって必要不可欠な真理が何であるかを、明らかにし得るところにあります。スピリチュアリズムの真理という「絶対基準」を通して、他の霊界通信、宗教、思想のランクづけができるということです。それらを上から眺め下ろし、その中に含まれる真実度のレベルを明らかにし、どの程度、本物を有しているかをすぐさま判断することができるのです。高級霊が地上の宗教、思想、霊能者のランクづけをするのと同じ判断能力を、地上にいながらにして持つことができるということです。

シルバーバーチは知識を持つことの重要性をたびたび説いていますが、その知識とは、あくまでも「魂の成長」に係わる知識なのです。どちらでもよい知識を持つことは、むしろ弊害を生み出すと述べています――「生半可な知識は危険であるとよく言われますが、時として知識が多すぎても危険であることがあります。その知識が間違っている場合はとくにそうです。」『シルバーバーチの霊訓 スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ』(スピリチュアリズム普及会)p.236

今、地上の人間に必要とされることは、そしてスピリチュアリズムの霊的真理に導かれた人にとって大切なことは、重要な知識とどちらでもよい知識を明確に区別することです。霊的成長にとって何の役にも立たない知識、それどころかマイナスをもたらすような知識は、むやみに追い求めるべきではありません。

霊的世界に関する知識には、常に玉石混交という問題がつきまとっています。宝(本物の真理・不可欠な真理)と単なる石ころ(どちらでもよい興味本位の知識)を区別できるかどうかが、本当に重要なことなのです。それなくしては、霊的世界への関心・精神世界への関心は、単なる好奇心や自己満足だけに終わってしまうかもしれません。ひいてはかけがえのない地上人生を、無駄にすることにもなりかねないのです。

ニューズレターの次号では、こうした知識の重要度の観点から、さまざまな霊界通信、霊現象、霊能者の内容を見ていきたいと思います。

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