スピリチュアリズムの普及とは、『シルバーバーチの霊訓』を広めること

インフォメーションNo.20

次々に登場するニセ霊能者・ニセ霊界通信

私たちのサークルには、スピリチュアリズムと出会った方々から、多くのお手紙が寄せられてきます。大半のお手紙には、スピリチュアリズムに導かれたことへの感謝や、霊的真理を手にした喜びが綴られています。しかし中には、「高級霊から啓示を受け、それを本にまとめたので、ぜひ感想を聞かせてほしい」といったものや、「自分は霊からの通信を受け取ることができるので、スピリチュアリズム普及会の人たちと交霊会を開きたい」といったお手紙もあります。

世の中には、こうした人たちのように“霊能者”を自称する人間がたくさんおり、彼らが受信したという霊言(霊界通信)が数多く出回っています。これまでは「霊界通信」と言っても、少し霊的知識がある人なら初めからニセモノと分かるような程度の悪いものが大半でした。ところがスピリチュアリズムが広まるにつれて、誰もがすぐにウソだと分かるような単純なニセ霊界通信は姿を消し、真偽の見分けが難しいものが増えてきました。なかには、『シルバーバーチの霊訓』から抜き出したと思われるような内容が、随所に見られるものまであります。

私たちはニューズレターなどを通して、「これから、スピリチュアリズムやシルバーバーチを悪用したニセ霊能者やニセ霊界通信が次々と現れる」と言ってきましたが、まさにそうしたことが現実となっています。その“走り”と言えるのが、江原啓之氏です。江原氏は霊能者を装い、人々の前世や守護霊を言い当てるというテレビの心霊番組で一躍有名になりました。今では多くの人が江原氏はニセ霊能者であり、彼が語った前世や守護霊の話はすべて作り話であったことに気付いています。しかし、いまだに江原氏のウソや偽善的な行為に騙されている人もたくさんいます。

スピリチュアリズムという最も貴重な人類の宝を使って人々を騙し、この世の富や名声を獲得しようとした罪は、決して見逃されることはありません。江原氏が本当に「霊的真理」を正しく理解していたら、そんな愚かなことはしなかったはずです。

「シルバーバーチ霊団」からのメッセージを受信?

数か月前、私たちのサークルにお手紙とともに1冊の本が送られてきました。それは日本人の霊媒が「シルバーバーチ霊団」からメッセージを受信し、書籍としてまとめ、出版したというもので、手紙の送り主はその本の編集をした女性この女性が審神者を務めた)でした。本の“まえがき”を読むと、この女性は『シルバーバーチの霊訓』の翻訳者である近藤千雄氏(故人)と懇意にしていたということです。近藤氏は生前、女性に対して「あなたもシルバーバーチ霊団に属している」と話したそうです。また、“まえがき”にはメッセージを受信したという霊媒の言葉が記されています。それによると、霊媒の通信霊が「自分はシルバーバーチ霊団の者だ」と名乗ったとのことです。編集者の女性はこうしたことをもとに、「この霊界通信はシルバーバーチ霊団から送られてきたものである」と主張しています。

霊的知識がない人なら、近藤氏からのお墨付きがあり、通信霊が「自分はシルバーバーチ霊団の者だ」と身元を語っているのだから、きっと本物に違いないと思ってしまいます。しかし霊的観点から言えば、この通信が「シルバーバーチ霊団」からのものではないことは明らかです。なぜなら、「シルバーバーチ霊団」はすでに解散しており、現時点で霊団から地上にメッセージが送られてくることはないからです。編者も霊媒も基本的な霊的知識がないため、低級霊に簡単に騙されてしまいました。また、近藤氏が“まえがき”にあるようなことを言ったとすれば、近藤氏も霊的知識を正しく理解していなかったということになります。

すでに使命を終えた「シルバーバーチ霊団」

スピリチュアリズムの霊界通信は、高級霊によって演出されます。高級霊による通信は、単独で行われることはありません。必ず“霊団”が組織され、霊団のメンバーの協力体制のもとで通信が行われます。シルバーバーチの霊界通信では、シルバーバーチ霊が高級霊界で審議された霊的真理を地上に送るために、「シルバーバーチ霊団」が結成されました。

「シルバーバーチ霊団」は、高級指導霊であるシルバーバーチを筆頭に、まだ地上臭が残っているような未熟霊まで、多くの霊たちによって形成されていました。霊団のメンバーは「地上人類の救いに必要な霊的真理を送る」という目的のもとに一致団結し、交霊会の演出にあたりました。

スピリチュアリズム運動を推進するためにはいくつもの霊団が結成されますが、それぞれの霊団はその目的が達成した時点で、使命を終えることになります。半世紀以上にわたる長い期間、人類にとって最高の霊的真理を送り続けてきた「シルバーバーチ霊団」は、霊媒であるバーバネルが死んだ時点でその使命を終えました。したがって、バーバネルが他界した時をもって、「シルバーバーチ霊団」は解散し、霊団に所属していた霊たちは本来の自分の立場に戻っていきました。

「シルバーバーチ霊団」はバーバネルの他界をもって解散しているため、今の時代に通信が送られてくるということはありえません。しかし、仮にシルバーバーチ霊団が継続していたとしても、シルバーバーチ以外の霊が自分の判断で地上にメッセージを送るなどということは許されません。霊団の目的はあくまでも、シルバーバーチが“マウスピース”となって地上に霊的真理を伝えることです。霊団のメンバーはそのための協力者にすぎません。メンバーの一人が勝手に地上にメッセージを伝えるといった差し出たことは、決して許されることではないのです。

さらにもう一つ、知っておかなければならないことがあります。それは、シルバーバーチのような高級霊からの通信というのは、きわめて稀なケースだということです。高級霊が通信を送るためには、さまざまな条件を整えなければならず、長い準備期間が必要となります。

シルバーバーチは、次のように語っています――「私がこの霊媒(バーバネル)を通して使命を果たすために何十年にもわたって準備してきたことを、皆さんはよくご存知のはずです。誰かの要望に応えて、別の霊媒を長い期間をかけてもう一度、養成するようなことはいたしません。」『シルバーバーチの教え(上)』p.192

通信霊にとって霊媒は、まさに“道具”です。霊界から純粋な通信を送るためには、霊媒を通して自分の意志を100%表現できるまでにコントロールしなければなりません。シルバーバーチは、バーバネルが地上に誕生する時から導きを開始し、何十年もかけて専属霊媒に育て上げました。こうしたことから、「シルバーバーチは、バーバネル以外の霊媒を用いてメッセージを送ってくることはない」と断言することができます。

世の中の霊媒の大半は、自分の通信霊がさも高級霊であるかのように言いますが、高級霊からの通信は容易になされるものではありません。専属霊媒の養成だけでなく、さまざまな条件が整って初めて可能になるものなのです。

『シルバーバーチの霊訓』が降ろされた以上、新たな霊界通信は不要

このように基本的な霊的知識に照らしてみれば、「シルバーバーチ霊団」に関わりがある霊からのメッセージというのは、霊媒の作り話か、あるいは霊媒の潜在意識の中にあった記憶が吐き出されたもの(『シルバーバーチの霊訓』の内容)のいずれかだということが分かります。世間には、ニセ霊能者やニセ霊界通信が横行していますが、私たちスピリチュアリストは高級霊によって示された霊的知識・霊的真理に基づいて、それらの真偽を的確に判断していかなければなりません。

シルバーバーチは――「スピリチュアリズムの最大の敵は、外部ではなく内部にいる。つまり生半可な知識ですべてを悟ったつもりでいる人たちが、往々にして最大の障害になっている」(新たなる啓示・P46)と言っています。

中途半端に霊的真理をかじった程度で活動に走る人たちや、霊的真理に出会っていながら心霊現象に過剰な関心を寄せる人たちは、スピリチュアリズムに大きなマイナスを生じさせることになってしまいます。さらに、スピリチュアリズムを知った人間が『シルバーバーチの霊訓』を利用して自分の利益を得ようとするなら、それはスピリチュアリズムに対する敵対行為と言えます。霊的真理を盛り込んだウソを語り、スピリチュアリズムを安売りすることはスピリチュアリズムの権威を貶め、大きな罪をつくることになってしまいます。スピリチュアリズムやシルバーバーチの名前を掲げて人々の注目を集めようとする人間は、表面的にはスピリチュアリズムの普及を願っているように見えますが、本心は自分の欲望を満たすために活動しているだけなのです。

霊界の周到な準備のもとに地上に降ろされた『シルバーバーチの霊訓』には、地球人類にとって必要な霊的真理がすべて示されています。『シルバーバーチの霊訓』という最高の啓示が降ろされた以上、もはや交霊会に参加したり新たな通信を受け取る必要はありません。スピリチュアリズムの素晴らしさに感動し、心の底から人々に霊的真理を伝えたいと思うなら、『シルバーバーチの霊訓』という本物だけをストレートに紹介すればよいのです。自分が中心となって人々に新たな啓示を知らせようとすることは、高級霊界の願いに背くことであり、霊的真理に対する傲慢さ以外の何ものでもありません。

真のスピリチュアリストとは、スピリチュアリズムの発展を何よりも願い、そのために自分を犠牲にすることができる謙虚な人間のことです。スピリチュアリストは、霊的真理を手にしたという重大な責任を果たすために、この世の名声を一切求めることなく、神と高級霊の前に誠意を尽くす人生を送っていかなければならないのです。

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