9.霊性教育について
――スピリチュアリズムの育児・教育論
親にとって我が子に対する育児・教育は、人生の中で重要な部分を占めています。人間は食べるのに精いっぱいという生活レベルを抜け出すと、育児・教育に関心が移っていきます。子供たちを立派に育て、より良い人間にしたいと考えるようになります。
育児・教育に熱心な親は、できるだけ多くの知識や情報を手に入れようとします。日本のような先進諸国では、育児・教育に関する情報があふれています。しかしそうした知識や情報には、いまだに内容的に一貫性が見られません。それが育児・教育に真剣に取り組む親に、混乱をもたらすことになっています。どの専門家の言い分・教育論を信じたらよいのか分からなくなり、疲れ果ててしまうことになります。
スピリチュアリストにとっても育児・教育は、非常に重要な問題です。育児・教育は、霊的人生における大切な一パートなのです。子供を育て、その魂を高めるという営みは、人類の進化に大きな貢献をすることに他なりません。現代の多くの親は育児・教育に対して確たる拠りどころを見いだすことができず、悩みと混乱の中に立たされています。そうした中で私たちスピリチュアリストは幸いなことに「霊的真理」との出会いによって、正しい育児・教育とはどのようなものであるかを明確に知ることができました。ここでは「スピリチュアリズムの育児・教育論」について学びます。
内容は次のようになっています。
- (1)霊性教育とは(霊性教育の意義)
- (2)霊的観点から見た「親子関係論」――“親と子供”という特別な人間関係
- 1)親子の宿命的関係と血縁信仰
- 2)親子を結びつける絆とは
- 3)スピリチュアリズムが明らかにした親子関係の本質――“霊と霊の関係”が一番の中心
- 4)カルマ的関係(カルマによる親子関係の決定)
- 5)スピリチュアリズムから見た不妊治療の是非
- (3)親は神の代理者――霊的観点から見た「親論」
- 1)親は、神の代理者
- 2)霊的上下関係の重要性
- 3)親は、霊性教育の主役
- 4)育児・教育を通して“神の創造の業”に参加――霊性教育は、神の創造の業の一コマ
- 5)親は、育児・教育を通して霊的成長
- 6)親に要求される内容――「神の代理者」としての資格
- (4)霊性教育の目的と方向性
- 1)育児・教育における目的・方向性の重要性
- 2)霊性教育の目的〈1〉――「霊的成長」に向けての働きかけ
- 3)霊性教育の目的〈2〉――子供を地上の悪から防衛
- 4)霊性教育の目的〈3〉――子供の前世のカルマ清算の手助け
- (5)霊性教育の実践論――霊性教育の具体的内容と方法
- 1)霊的栄養素〈1〉――基本的な霊的真理
- 2)霊的栄養素〈2〉――正しい愛(利他愛)
- 3)霊的人生への正しい方向づけ〈1〉――霊主肉従のための基礎訓練
- 4)霊的人生への正しい方向づけ〈2〉――利他愛実践のための基礎訓練
- 5)正しい導き方〈1〉――霊的人生の良き手本
- 6)正しい導き方〈2〉――神の援助者としての育児・教育法
- (6)誕生から霊的自立までの、子供の霊的成長のプロセス
- 1)「霊的自立」に至る人間の霊的成長のプロセス
- 2)親子関係の変化と神への接近――子供の霊的成長のプロセス ①
- 3)人間関係の変化にともなう愛の人格性の拡大――子供の霊的成長のプロセス ②
- (7)霊性教育の実践における困難と限界
- 1)霊性教育は、理想的な育児・教育論
- 2)霊性教育における現実の壁と困難
- 3)霊性教育に対する、さまざまな妨害要因
- 4)親に求められるのは、理想に向けての最大限の努力
- 5)蒔いた種が、あとになって芽を吹くこともある
- 6)霊性教育のやり直しのチャンス
- (8)間違った宗教教育による子供の悲劇